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EMCジャパン、グループの製品を統合したビッグデータ分析用ソリューション
(2015/4/22 06:00)
EMCジャパン株式会社は21日、ビッグデータ関連要素を統合したソリューション「フェデレーション ビジネス データレイク ソリューション」を発表した。自社のEMC II(EMC情報インフラストラクチャ)だけではなく、Pivotal、VMwareの仮想化技術、ビッグデータ分析技術などをワンストップで提供するという。提供開始は7月以降を見込んでいる。
EMCでは、データの活用を図る上で、あらゆるデータを単一の巨大な器(データ空間)に入れ、容易に管理・活用できるようにする「データレイク」基盤を実現するために、スケールアウトNASのIsilonをはじめ、多くの製品を提供してきた。また、これを分析するためのソリューションとして、グループであるPivotalが「Pivotal Big Data Suite」を、ハードウェアとしてはVCE連合が「Vblock」を、システムに必須となっている仮想化ソリューションも、VMwareがvSphereをはじめとする製品を提供している。
今回提供する「フェデレーション ビジネス データレイク ソリューション」は、こうしたEMCグループ各社の製品を統合し、パッケージとして提供するもの。同ソリューションの分析レイヤはVblockを基盤にVMwareで仮想化され、Pivotal Big Data Suiteによる分析機能を利用できる。データをためるストレージには、これまでもデータレイクストレージとして展開されてきたIsilonが採用された。
プロフェッショナルサービス事業本部長の山口浩直氏が、「ベストブリードで組み合わせるだけなら、どこのSIerでもできるのではないか」と指摘するように、「フェデレーション ビジネス データレイク ソリューション」を特徴付けているのは、分析レイヤにおいて、事前定義済みのユースケース、および各製品を横断して自動化されたプロビジョニングと設定機能が提供される点。これらを利用することで、EMCならではの強みを発揮できるという。
また、分析機能については機械学習ライブラリのMADLib、Rといったオープンソースに加え、SASやTableauなどのサードパーティ製品との連携も可能。オープン性を担保しているので、HadoopについてはPivotal Big Data Suiteに含まれるPivotal HDを利用する以外に、ClouderaやHortonworksといった他社のディストリビューションを利用することもできる。
なおEMCジャパンでは、ビッグデータを実際のビジネスで利用し成果を上げていくためのプロセスして、「収集」「格納」「分析」「洞察共有」「アクション」の5つを設定。これを回していくことで、適切な効果が得られると指摘する。
山口氏は、B2Cのモバイルアプリを提供している企業を例にとり、「モバイルアプリでは、ユーザーが活用した履歴をデータとして蓄え、それを分析。そして、その結果をアジャイル開発によって、アプリにすぐ反映していくことが必要とされる。データ収集とアナリティクスはどこのベンダーでもやっているが、それをアジャイル開発でビジネスロジックへ反映し、また分析する、といった仕組みをぐるぐる回すことが必要になってくる」と説明。そのすべてを提供できるのがEMCジャパンの強みだとした。
そのために、ソリューションパッケージだけでなく、コンサルティングも引き続き展開するとのこと。山口氏によれば、ここ2年ですでに「数十の3ケタに近い方」の実績があるそうで、ビッグデータ活用に何が必要かを理解する「ワークショップ」から、データ活用構想の立案、データ活用のPoC、人材育成、難易度の高い分析を支援するデータ分析高度化、システム構築・運用まで、各種コンサルティングメニューをそろえている。
「ビッグデータに取り組みたいというお客さまは多々いらっしゃるが、さまざまな要素があり、どれを選べばきちんとした分析ができるのかなど、導入しようと思っても複雑性が増しているのが現状だ。EMCでは、どうやればシンプルになるかを考えており、それを提供できるのが『フェデレーション ビジネス データレイク ソリューション』になる」(山口氏)。