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NTTデータら、コミュニケーションロボで高齢者を支援する実証実験

Sota

 株式会社NTTデータと社会福祉法人東京聖新会、および一般社団法人ユニバーサルアクセシビリティ評価機構は、コミュニケーションロボットによる高齢者支援サービスの実証実験を3月25日から開始する。

 東京聖新会が運営する東京都西東京市の特別養護老人ホームに入居している高齢者を対象に、コミュニケーションロボットを活用した介護支援サービスの実現可能性を検証する。コミュニケーションロボットが利用者と直接対話し、利用者の音声データは生活環境に設置した離床センサー、人感センサーのデータとともに、NTTデータが研究開発中のクラウドロボティクス基盤にネットワーク伝送される。

実証システムにおける機能配置図

 クラウドロボティクス基盤では、収集したデータを統合的に解析し、利用者の生活状況を認識。さらにNTTメディアインテリジェンス研究所の高度な音声対話技術によって、利用者とコミュニケーションロボットの対話促進や声がけを実現する。これらの機能から安否確認や転倒予防、服薬確認などの見守りを行うという。

高齢者支援サービスのイメージ

 NTTデータでは高齢社会の課題解決に向けて、今後はロボット単体ではなく、人や環境の状況を認識したサービスの提供が必要であると考え、センサーデバイスやロボット、収集データを統合的に扱えるクラウドロボティクス基盤の研究開発を進めてきた。ここにヴイストン製のコミュニケーションロボット「Sota」も加え以下の検証を行う。効果測定については、ユニバーサルアクセシビリティ評価機構の協力の下で進めていく。

  • 介護者の業務負担の軽減効果を評価
    介護者の肉体的・心理的負担の度合いをコミュニケーションロボットの活用前後で比較し、その効果を検証する。
  • コミュニケーションロボットとの対話誘発効果を評価
    利用者とコミュニケーションロボットとの対話データの解析とユーザビリティ評価を行い、その効果を検証する。
  • クラウドロボティクス基盤、およびそのソフト機能配置の検証
    高齢者支援サービスの実現に向けたクラウドロボティクス基盤、およびそのソフトの機能配置を検証する

 実施期間は3月25日~5月29日。対象者は施設に入居する高齢者2名、介護職員4名、ケアマネージャー2名、医師1名、看護師1名の計10名程度。各高齢者に1台ずつロボットとセンサーを用意して行う。

 今後については、実証実験終了後に2015年6月から在宅環境で実証実験を行う予定。それら成果をベースにさらなる検証を進め、2016年度をめどに商品化をめざすという。

川島 弘之