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DNPとユニシス、カード決済連動マーケティングを支援するサービス

 大日本印刷株式会社(DNP)と日本ユニシス株式会社(以下、ユニシス)は3日、クレジットカード、プリペイドカード、ポイントカードなどさまざまな決済に連動したマーケティングを実現するプラットフォームを開発し、2015年10月~2016年3月にサービスを開始すると発表した。

 いわゆるCLO(Card Linked Offer)を実現するプラットフォームサービス。CLOは、カード発行会社の会員属性情報や決済履歴などのビッグデータを基に優待情報などの送付対象者を抽出し、対象者に対してカード決済時に利用できる優待特典を提供するサービスで、近年その需要が拡大しているという。

CLOの概念図

 元々はカード社会の米国で広がったマーケティング施策だが、日本でも店頭や通販での支払手段が多様化する中、決済データのマーケティング活用の可能性が高まっている。そうした中、DNPとユニシスは、決済連動マーケティングの販促・送客機能の1つとして、2014年7月にCLOサービスを開始している。

 同サービスは、現金決済が主流の日本市場において、クレジットカードの利用促進を図るもので、最大の特徴は、クレジットカードの決済データと加盟店のPOSデータの連携により、購入した店舗情報だけでなく、商品情報まで把握することで“商品単位での特典提供”も実現できる点にあるという。

 両社がこれまで提供してきた「販促・送客」「決済基盤」「顧客管理」などのサービスを有機的に連携させた「決済連動マーケティング」のメニューとして提供。両社の決済連動マーケティングを利用することで、生活者情報と決済情報を組み合わせて分析し、生活者に最適なタイミング×方法×コンテンツで販促・送客することが可能となり、商品製造業・金融機関・店舗の売り上げを向上できるという。

 キャンペーンを実施する企業は、同サービスと提携するクレジットカード会員や流通・小売店の会員にキャンペーンを告知できる。

 具体的なイメージとしては、消費者が店舗に行く前にアプリなどでキャンペーンを知ったとする。今までだと対象商品を購入し、応募シールを集めて、応募ハガキに張り付けて送付するといったプロセスが生じることもあり、やる気を維持できなかったりした。CLOでは、アプリでキャンペーンを知った時点で応募ボタンを押す。あとは店頭で対象商品を購入するだけで、自動的に購買が証明され、応募が完了となる。

キャンペーン応募の流れ

 これはすなわち、いままで顧客接点が少なく難しかった「メーカーから消費者への直接的なマーケティングアプローチ」も容易に実現できることも意味するとのこと。

 ほかにも、消費者がカードで買い物した時点で、そのお店やメーカーの関連商品、あるいは商品単位での特典情報などがアプリで受け取れるようになる。

 今回のサービスでは、クレジットカードだけでなく、デビッドカードやプリペイドカード、流通・小売業のポイントカードなど、さまざまな会員サービスと連携できるのが、今までのCLOとは異なる点だ。

 なお、カード会社や加盟店における同サービスのシステム構築費や運用費は原則発生しない(独自カスタマイズやシステム連携による改修費用はのぞく)という。DNPとユニシスは、会員の特典利用に応じた成果報酬型の手数料を広告主から受け取るビジネスモデルとなる。

 両社は今後、企業のマーケティングを進化させるさまざまなサービスを順次展開するなど、さらなるサービス充実を図りつつ、食品・飲料・化粧品・日用品・文具・雑貨などの消費財メーカー、金融機関やカード会社、流通・小売・サービス業の事業者へ提案し、2016年度に15億円の売り上げをめざす。

川島 弘之