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DNPとユニシス、優待情報でカード会員の店舗購入を促すサービス

 大日本印刷株式会社(以下、DNP)と日本ユニシス株式会社(以下、ユニシス)は25日、カード会員を店舗へ送客し購入へ導く「CLO(Card Linked Offer)サービス」で協業し、今秋より提供を開始すると発表した。

 CLOサービスは、クレジットカード発行会社が保有するカード会員の属性情報や決済履歴を参照して、優待情報を送付する会員を抽出し、その会員が店舗でカード決済した際にキャッシュバックなどの特典が受けられるというもの。

 米国ではこうしたサービスが増えており、2012年8月に業務提携したDNPとユニシスは、現金決済が主流の日本市場においても、流通業やサービス業でのクレジットカード利用促進を図るCLOサービスを普及させる狙い。各店舗において、会員が商品単位での優待を受けられるよう流通系加盟店などと調整を進める。

 両社が展開するCLOサービスでは、会員の属性情報や購買履歴などのビッグデータを活用し、商品を購入する可能性が高い会員を抽出。キャッシュバックなどの優待情報をその会員に配信して、加盟店への送客とカード利用を促進する。

 サービス規約に同意・承諾した会員は、クレジットカード発行企業が提供するスマホアプリを活用。配信される複数の優待情報の中から利用したい特典を画面上で選択し、その特典を提供する店舗へ行って指定のクレジットカードで決済するだけで、請求時に自動的にキャッシュバックが受けられる。優待内容が記載された印刷物やスマホの画面を提示する必要もない。

 加盟店やメーカーなどの広告主は、会員情報や利用履歴を基に希望する条件に合う会員に対して優待情報を配信できる。通常のクレジットカード決済処理以外に店舗で新たな業務は発生しないため、業務負荷も変わらずサービスを利用できる。

 カード会社は、自社の決済サービスの充実が図れるとともに、カード決済の頻度や金額の増加が見込めるという。

 価格について、クレジットカード会社や加盟店における同サービスのシステム構築費や運用費は発生しない(カスタマイズやシステム連携などの改修費用は除く)。DNPとユニシスは、会員の特典利用に応じた成功報酬型の手数料を加盟店やメーカーなどの広告主から受領し、その手数料をカード会社と分配する予定。

 両社は金融機関やクレジットカード会社、加盟店へ提供し、2016年に15億円の売上を見込む。

川島 弘之