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NTTコムウェア、SDNコントローラー「SmartSDN Controller」を機能強化

 NTTコムウェアは3日、SDNコントローラー「SmartSDN Controller」を機能強化し、クラウド対応を強化すると発表した。クラウド環境におけるSDN化を加速させる。

 一般的にクラウド環境の運用においては、サーバー群・ネットワーク群の管理にそれぞれ特有の技術が必要なため、クラウド全体をまとめて管理できる技術者を配置することが難しく、運用コストの増大を招いているという。特にネットワーク群は、ネットワークの仮想化やセキュリティ確保に対応するため、多種多様なネットワーク機器への設定変更が必要となる。

 SmartSDN Controllerは、それらの運用を柔軟・効率化するSDNコントローラー。同一の物理ネットワーク上に複数の仮想ネットワークを構築することで、ユーザーからの要望に対して柔軟なネットワーク環境を提供するほか、スイッチやルーターを集中管理することでネットワーク全体を把握し、既存のルーチングプロトコルに依存した経路、迂回制御ではなく、故障やネットワークのトラフィック状況に応じた柔軟な経路変更を実現する。

 機能強化では、CLI対応機能をサポートすることで、クラウド環境でよく利用されているCisco製スイッチ「Nexusシリーズ」などのネットワーク機器を制御可能とした。これにより、クラウド環境の既設ネットワークの機器を入れ替えることなく、SDNネットワークの構築が可能となり、従来と比べて最大50%以上の運用コスト削減が期待できるという。

 また、クラウドオーケストレーターと連携するためのAPIを提供。クラウドマネージャーと連携してSmartSDN Controllerから仮想スイッチを制御することで、仮想化されたサーバー群とネットワークをオーケストレーションする。クラウド環境でVMの構築・追加を行った場合に、SmartSDN Controllerが連動してネットワークの設定を変更することで、運用管理の効率化とリードタイムの短縮が可能になるという。

 これらの機能は4月から順次提供する予定。NTTコムウェアでは、2020年度までに100億円規模のビジネス規模をめざし、将来的には通信事業者の基幹ネットワークへの適用を進めていく考え。

川島 弘之