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災害時に持ち運んで設置、電源も不要――ハイビジョン映像無線伝送システム
DENGYO「FalconWAVE 臨時可搬型パッケージ」
(2015/3/2 13:27)
日本電業工作株式会社(以下、DENGYO)は2日、災害現場などからハイビジョン映像を伝送できる長距離無線LANシステム「FalconWAVE」を使用し、多地点望遠観測や各種観測データの無線伝送が可能な「FalconWAVE 臨時可搬型パッケージ」を発表した。
自然災害では、緊急時に広域の映像中継が必要となる。火山活動監視の例でいうと、噴煙や噴出物などを観測する高感度カメラと併せて地震計、GPS、傾斜計を設置して火山防災ステーションに映像を伝送して監視するという。
「FalconWAVE4.9G」を使用することで、4ポイントまでのカメラ映像と各種センサー情報を最長30kmまで防災ステーションへの無線集約伝送が実現する。1対4のハイビジョン映像伝送の場合は最長16km。一方、「FalconWAVE2.4G」の低消費電力特性(2.5W)を生かすことで、太陽光パネルによる“完全自立電源運用”で最長8kmまで無線伝送できる。1対4のハイビジョン映像伝送の場合は最長1km。
今回の臨時可搬型パッケージは、映像伝送に必要なカメラ・アンテナ・無線装置(FalconWAVE)類をセットにしたシステム。
電源を接続し、広指向性アンテナの取り回しやすさにより、最短15分で災害現場などからライブ中継できるという。「FalconWAVE2.4G」なら、可搬タイプの小型太陽光パネルを利用して、電源のない場所でも運用できるため、山間僻地にも設置が可能だ。IPネットワークの構成により、HUB経由で各種センサー情報も伝送できるという。
リリースにあたって、想定災害現場とする堂平山山頂から想定事務所とする坂戸事業所まで、臨時可搬型パッケージを使って4台の現場カメラ映像を無線伝送実験を行った。その結果、伝送距離16kmでのハイビジョン映像を確認し、システムの簡易設置と通信の安定性が実証できたとしている。
今後は、映像機能の高度化ならびにカメラ監視地点周辺のWi-Fiエリア化など、無線伝送機能と周辺機能を組み合わせたパッケージ化の充実を図る予定。