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2020年にセキュリティ市場のトップベンダー目指す、フォーティネットの野望

クラウド環境でNTT Comと協業

米フォーティネット インターナショナル セールス&サポート シニアバイスプレジデントのパトリス・ペルシェ氏

 フォーティネットジャパン株式会社(以下、フォーティネット)は2月3日、グローバルおよび日本市場における2015年の事業戦略について記者説明会を開催した。あわせて、NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)と協業し、クラウド環境へのマネージドセキュリティサービスを強化すると発表した。

 まず、米Fortinet インターナショナル セールス&サポート シニアバイスプレジデントのパトリス・ペルシェ氏が、グローバルの事業概況について説明した。「当社の2014年通期の取扱高は8億9600万ドルで、前年比31%増を達成。市場成長率は5%未満にとどまっており、その中で大幅な伸びとなった。また、設立からの当社製品の出荷台数が累計で200万台を突破した」と、引き続き好調に推移しているという。「こうした状況を踏まえ、当社では、2020年を目標としてセキュリティ市場におけるリーダーを目指す」と、今後の事業ビジョンを明らかにした。

 2015年の事業戦略としては、「セキュリティソリューションの市場ニーズが高まるなかで、『FAST』『SECURE』『GLOBAL』の3つのスローガンを掲げ、2020年に向けて事業展開を加速していく。具体的には、各国あたりの社員数を増強し、サービス・サポートの向上を図る。また、インフラ強化として、日本における『フォーティガード ラボ』の開設を進める。マーケティング戦略では、ソーシャルメディアやインターネットを駆使した新たな形態でのコミュニケーションを行っていく」としている。「これらの取り組みによって、アジア太平洋地域のマーケットシェアを10%以上に高めていく。また、業種別ソリューションやグローバルソリューションなど、ビジネスカバレッジもさらに拡大する。そして、パートナー企業との連携を強化し、付加価値のあるチャネルプログラムや評価制度などを展開していく」との方針を述べた。

フォーティネット 社長執行役員の久保田則夫氏

 日本市場の事業概況について、フォーティネット 社長執行役員の久保田則夫氏は、「2014年はUTM国内市場において10年連続でシェアNo.1を達成した。また、Firewall/IPSecとSSL VPN、IDS/IPSを合計した国内市場において、2014年第3四半期で当社がシェアNo.1となった。国内セキュリティアプライアンス市場でも、年々シェアを拡大しており、売上額でシェア第2位となっているが、出荷台数では他社を大きく引き離してトップをキープしている」と、日本市場におけるビジネスも着実に成長を続けていると説明する。

国内UTM市場のシェア
国内セキュリティアプライアンス市場のシェア推移

 2015年の日本市場戦略は、サービスプロバイダ/iDC、大企業・官公庁・大規模機関、中小企業の3つの分野にフォーカスして事業拡大を図る考え。「サービスプロバイダ/iDCに向けては、超高速ファイアウォール製品、およびクラウド&SDNソリューションを展開する。大企業・官公庁・大規模機関向けには、次世代ファイアウォールや標的型攻撃対策、内部セキュリティ対策などを展開する。特に官公庁にはマイナンバー制度のニーズに対応したさまざまなソリューションを提案する予定だ。また、中小企業には、BYODの実現に向けて、セキュアな無線LANソリューションやFortiCloudを利用したマネージドサービスを展開する」としている。そして、これらのビジネス戦略を支えるインフラとして、年内には『フォーティガード ラボ』を国内に設置したいとした。

フォーティネットジャパンの2015年のフォーカス分野
フォーティネットジャパンとNTT Comとの協業展開

 なお今回、サービスプロバイダ/iDC向けの取り組みの一環として、NTT Comと協業し、FortiGate仮想アプライアンスとFortiGuardサブスクリプションサービスを使って、NTT Comの企業向けクラウドサービス「BizホスティングEnterprise Cloud」と、マネージドセキュリティサービス「WideAngle」を強化したことを発表した。

 具体的には、NTT Comが「BizホスティングEnterprise Cloud」と「WideAngle」を組み合わせて、FortiGateの仮想アプライアンス「FortiGate-VM」を使ったワンストップのマネージドセキュリティサービスを、通信事業者として世界で初めて提供する。これにより、「BizホスティングEnterprise Cloud」において、「FortiGate-VM」によって強化されたクラウドベースのセキュリティサービスがオプションとして可能となった。

 「FortiGate-VM」では、複合型脅威に対抗する統合されたセキュリティを仮想的なフォームファクタで提供。それぞれのFortiGate仮想アプライアンスが、双方向のステートフルファイアウォール、アンチウイルス、アンチスパム、IPS、VPN、Webフィルタリングなど、フォーティネットのFortiOS 5オペレーティングシステムが提供するセキュリティおよびネットワーキング機能をサポートし、広範囲にわたる脅威から保護するという。

唐沢 正和