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デジタルサイネージやスマホで情報共有、NTT Comが沖縄で実証実験

「WebSocket」「WebRTC」有用性評価も兼ねて

 NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)は30日、平常時・災害時ともに利用できる、デジタルサイネージを核としたスマートフォン向け情報共有サービスの実証実験を始める。総務省から受託した先進的ICT国際標準化推進事業「次世代ブラウザにおける通信環境透過技術」の一環として、「WebSocket」と「WebRTC」を活用し、これら最新Web技術の有用性を評価する狙いもある。

 観光地における情報配信や、災害時の被災情報配信としても活用可能なデジタルサイネージ。単に画面上に情報を表示するだけでなく、デジタルサイネージと同じ無線LAN内にあるスマホとの情報連携や、同ネットワーク内のカメラと接続した状況確認を可能にすることで、さらに有用性は高まると期待される。

想定活用イメージ

 しかし、無線LAN内でデジタルサイネージ、スマホ、ネットワークカメラなどを接続しようとする場合、他機器への接続をブロックするプライバシーセパレーター機能が働いていたり、利用している公衆無線LANプロバイダが異なっていたりして、接続が困難な場合があるという。このような環境であっても、機器の発見・接続を可能にする技術を開発し、実証実験環境として整えた。

 ここで利用されるのが、WebSocketとWebRTC。WebSocketはWebサーバーとブラウザ間で双方向ソケット通信を行う技術仕様で、一度接続するとWebサーバー側からも任意のタイミングで通信を開始できるほか、HTTP通信よりデータ量が少ないため、高速なレスポンスが期待できる。一方のWebRTCは、Webブラウザ同士でサーバーを介さないPeer to Peerのリアルタイム通信(音声・データ)を実現するオープン技術で、Webブラウザのみで利用できるWeb会議などへの応用に期待がかかっている。

 これらにより、対応するWebブラウザさえインストールされていれば、特定のアプリに依存せずに機器間通信が可能となるため、同一ネットワーク内にある、異なる仕様の機器を効率的に連携させられるという。WebRTCについては、機器間を一度接続すれば通信にサーバーを必要としないため、観光地・災害時の回線ひっ迫時にも有用と考えられる。

実証実験の構成イメージ

 実証実験は、これらの技術を用いて、デジタルサイネージを用いた情報共有サービスの有用性を評価すること。実施場所は沖縄県北谷町「美浜タウンリゾート・アメリカンビレッジ」で、期間は1月31日~2月下旬(予定)。平常時・災害時の情報共有、あるいは観光客や被災者間の情報共有サービスとして、モニターによる評価実験を行う。

 併せて、一般観光客向けの参加型イベントも開催。(1)デジタルサイネージに表示されるQRコードをスマートフォンで撮影し、実証実験サイトにアクセス。(2)自分で撮影した写真をサイトにアップロード。(3)デジタルサイネージ上に「モザイクアート」(ほかのユーザーが撮影した写真が小さなピースとなり、自分で撮影した写真が再現される)を自動生成。(4)生成されたモザイクアートをスマートフォンにダウンロードして楽しんでもらう。実施場所はアメリカンビレッジ FASHOIN PLAZA F 1階。

 今後の展望としてNTT Comは、IoTの発展的概念とする「Web of Things」の国際標準化を推進するとともに、公衆無線LANとデジタルサイネージを活用した、一般観光情報や被災時情報共有サービスの実用化につなげていく予定。

川島 弘之