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「Platform 2.5」で示すEMCジャパンの方向性、大塚社長が重点施策を説明

大塚俊彦氏

 EMCジャパン株式会社は29日、2015年方針説明会を開催。2014年12月に代表取締役社長に就任したばかりの大塚俊彦氏が重点施策を説明した。

 2014年のキーワードは「ハイエンドストレージ(フラッシュ)」「ソフトウェア」「ビッグデータ/データレイク」「ハイブリッド環境」。米EMCによる買収戦略によって、新たにDSSD、SPANNING、TwinStrata、Maginatics、CloudScaling、VCEも傘下となった。

 これらを背景に「2015年は“Platform 2.5”を推進する年となる」(大塚社長)。「Platform 2.5」という言葉には、技術トレンドがモバイル、クラウド、ビッグデータ、ソーシャルに代表される「第3のプラットフォーム」へと急速に変わる中、EMCグループは第3のプラットフォームに必要とされる技術を活用し、現行のITプラットフォームの進化に着目するという思いが込められる。

Platform 2.5を推進

 代表的な武器となるのが、「VMAX」「Data Domain」「XtremeIO」などの各種ストレージプラットフォーム、「VBlock」などのコンバージドインフラストラクチャ、「EMC Enterprise Hybrid Cloud」などのソリューション群だ。2015年はEMCグループとし「Platform 2.5」を推進するため、「製品・ソリューションの強化」「組織力強化」「パートナーアライアンス」「グローバリゼーション」の4点を重点施策とする。

 製品では「オールフラッシュストレージ」が特に好調という。大塚社長によると「XtremeIOはこれまでの歴史上、最速で成長したストレージアレイ。12カ月未満で5億ドルを突破した」とのことで、国内市場も2013年の35億円から2017年に140億円まで伸びると予想されている。

XtremeIOが急成長

 「製品・ソリューションの強化」では、このフラッシュ製品の拡充をはじめ、ビッグデータ向け製品の拡充(Isilon、Elastic Cloud Storage)、Software-Defined製品の拡充(ScaleIO、ViPR)、コンバージドインフラストラクチャの拡充、ハイブリッドクラウドソリューションの拡充を進めていく。

 「組織力強化」では、ストレージだけでなくビジネス視点での提案をすべく、「ソリューション主導営業の強化」を図るという。また、特にフラッシュなどの新技術に注力できるよう「製品特化セールスの強化」を進めていくという。いずれも人材育成をはじめ、社内での体制を強化していく考えだ。

 併せてサービスプロバイダ向け事業を強化。日本では特にクラウド事業者のビジネスを支援するため、EMC乗りソースも使って展開し、国内のアライアンス関係やサービスプロバイダパートナの拡充を図るという。

 「グローバリゼーション」では、EMC本社や各地域との連携強化を図り、顧客と米国幹部の接点となるような機会を増やすとともに、EMCジャパンも海外との人材交流を進め、より日本と米国での密接な関係を築きたい考えだ

 大塚社長は就任後の2カ月弱で、100社以上の顧客・パートナーと会い、社員との対話、EMC本社幹部との会合を重ねてきたという。「そこで感じたのは、顧客にとってEMCグループの方向性やポートフォリオがまだまだ分かりにくいということ。そこをきちんと伝えつつ、グループ会社間の連携(フェデレーション)を進めたい。VMwareは他社のストレージとも組むし、Pivotalはさらに幅広い企業と連携している。こうしたオープンな水平分業を強化して、顧客に選択肢を提供していきたい」とした。

川島 弘之