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阪急交通社、基幹システムのOracle DB更新を7カ月で完了
Real Application TestingやActive Data Guardを活用
(2015/1/7 06:00)
日本オラクル株式会社は6日、株式会社阪急交通社が、データベーステストツール「Oracle Real Application Testing」やデータ保護ソリューション「Oracle Active Data Guard」を活用し、大規模データベースの更改を7カ月で完了したと発表した。なお、この更改プロジェクトは、TISの支援のもとで行われている。
阪急交通社では、商品の企画、原価管理から仕入れ、流通、販売、顧客管理、経理処理にいたるまで、基幹ITシステムをOracle Databaseを用いて構築・運用してきた。この基幹システムには、約800台のコールセンター端末を含む4000台以上の業務端末が接続されており、年間で処理される旅行の予約件数は2013年実績で300万件に上るほか、会員顧客の数は3000万人を超え、全体のデータ容量は1.8TBに達しているという。
また同社の基幹システムは、自社のWebサイトだけでなく、航空会社など外部のシステムとも連携しており、システムに蓄積されたデータを、社内のマーケティング分析にも活用していた。システム利用が集中する月曜日午前のピーク時には、SQLの実行回数が1時間あたり6400万件に達し、システム基盤には24時間/365日の安定稼働と高い処理性能が求められている。
しかし、近年、旅行商品の販売量が急速に伸びていく中で、基幹システムに蓄積されるデータ量が想定を上回るペースで増大し、マーケティング分析のためのデータ抽出や検索処理における応答時間が長くなったため、十分な分析ができないという課題を抱えていた。
そこで阪急交通社では、サーバーハードウェアの刷新とOracle Databaseのアップグレードを含むシステム基盤の更改を決定。データベースを安全かつ短期間でアップグレードするために、Oracle Real Application Testingを活用した。具体的には、同製品の機能である「SQL Performance Analyzer」により、本番環境のアプリケーションで実行されたSQL処理の履歴をすべて取得し、それを検証環境で再現することで、性能分析や問題点の洗い出しを実施。アプリケーションの安全かつ確実な移行を実現するため、約5000本に上るSQL処理の全量検証を行い、約1.5カ月の短期間で完了したという。
さらに、短期間でのシステム移行や性能改善のために、Oracle Active Data Guardを合わせて活用した。移行前のシステムと新データセンター間で、Oracle Active Data Guardによってデータベース内のデータを同期させた上で、移行当日の差分データについては旧システム停止後の数分間で同期させるという方法を採用し、データおよびシステム全体の移行作業を48時間以内に完了させたとのこと
さらに新システムでは、更新系データベースとデータ抽出・検索に用いる参照系データベースを分け、両者をOracle Active Data Guardで同期するという設計により、応答時間の改善を実現。コールセンターのオペレーターが使用するシステムの応答時間も大きく向上し、予約登録処理にかかる時間が、従来の1件あたり20~30秒程度から約5秒まで短縮されたことで、予約受付にかかる時間を全体で約30%短縮したとしている。