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パナソニック、1ラックあたり638.4TBまで拡張できる光ディスクストレージ

重要データを長期保存可能

 パナソニック株式会社は、重要データを長期保存可能なスケーラブル光ディスクライブラリシステム「データアーカイバー LB-DH8シリーズ」を、2015年2月より受注開始すると発表した。国内外で需要が高まる、データセンターでのデータ長期保存ニーズに応えるために提供するという。価格はオープン。

 「LB-DH8シリーズ」は、複数のデータ保存用モジュールをサーバー格納ラック内に構成することが可能な、データアーカイバーの新モデル。データ保存用光ディスクを格納した「データアーカイバーマガジン」(以下、マガジン)と、「ボトムモジュール(マガジン移送装置)」「ベースモジュール(マガジン録再装置)」「拡張モジュール(マガジン装着装置)」の3種類のモジュール、マガジン管理ソフトウェア「データアーカイバーマネージャー」を組み合わせて構成される。

 ベースモジュール内には、1本あたり1.2TBのデータ保存が可能なマガジンを76本装填でき、1モジュールあたり最大91.2TBの大容量を保存可能。19インチラックに7つのモジュールを構成することで、1ラックあたり最大638.4TBの大容量光ディスクストレージを実現するという。また、ボトムモジュールとベースモジュールのみの最小構成から、拡張モジュールを増設した最大構成まで、スケーラブルなモジュール構成により、柔軟な運用に対応するとした。

 従来製品と同様、RAID技術を光ディスクに応用し、最大216MB/sのデータ転送性能と、不測の障害からデータを保護する信頼性も確保。50年の保存寿命をもつ光ディスクの採用により、定期的なデータ移し替えのコストも削減できる。さらに、スタンバイ時で約7Wの低消費電力により、電力コスト削減が見込めるほか、室温での保管も可能なため、空調電力コストが節減できるなど、データセンターでのデータ長期保存にかかるトータルコスト削減に貢献するとのこと。マガジン単位での取り外しや持ち運びを行えることから、BCP対策にも活用できるとしている。

 マガジン管理ソフトウェアは、Windows(Windows Server 2008 R2)とLinux(Red Hat Enterprise Linux 7、Cent OS 7)に対応。Windows向けでは、複数のデータアーカイバーに搭載されているすべてのマガジンをまとめ、1つの論理ボリュームとして管理可能。クライアントは、アクセスしようとするファイルがどのマガジンに保管されているか、そのマガジンがどのデータアーカイバーに搭載されているか、といったデータ保管場所を気にせず、簡単にアクセスを行えるという。ネットワークプロトコルにCIFSに対応し、NASヘッド機能を実現するとした。

 一方Linuxでは、RESTベースのAPIを使用したファイルの入出力制御をサポートしており、マガジン管理に対応。シングルネームスペース機能で大規模なアーカイブデータを管理でき、スケーラブルなストレージを構成できるとのこと。また、NASヘッド機能の実現も可能としている。

石井 一志