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富士通、オープンデータで地域特性を発見するツール「EvaCva」公開

地域ごとの「経済」「社会」「環境」が分かる

 富士通株式会社と株式会社富士通研究所(以下、富士通研)は11日、オープンデータで地域特性を発見するツール「EvaCva(エヴァシーヴァ)」を公開した。CO2、ごみ排出量、病院数、地域内総生産などのデータを市区町村単位で分析できる。2015年12月末(予定)まで、Webサイトで公開する。

 客観的で公平と考えられる政府統計など1200項目以上の公開データから、環境、社会、経済の視点で47項目の指標を作成し、全国1742の自治体を人口規模で類型化。類似自治体内における相対比較など、さまざまな分析が行える。

 富士通研と富士通総研が2月28日に開発した、世界中で公開されているオープンデータへのリンクを自動的に付与する技術「Linked Open Data」を活用したもの。環境、経済、社会の3カテゴリを設定し、地域属性を考慮した包括的な評価の観点から地域活性化ポリシーとして総合的に評価。評価結果はレーダーチャートなどで表示される。

Webサイト
地域データの分析例

 2月28日の発表では、宮城県七ヶ宿町での実証結果も公表された。森林に恵まれダム湖もある同町。評価結果からは産業構造や人口構造が類似する自治体と比較すると、財政力が高く、健全な行政運営が達成されていることが分かった。財政については類型化することで、全国平均とは異なる新たな知見が得られた。また、下水道普及も高い値となっており、ダム湖の水資源を大切にするために社会インフラが整備されていることが分かったという。このような結果を踏まえ、富士通総研から同町へ、地域活性化の施策として「森と水の体験プロジェクト」や「林業・バイオマス・太陽光による活性化プロジェクト」を提案したという。

宮城県七ヶ宿町の評価結果

川島 弘之