ニュース

JAたいせつ、北海道米の生産履歴管理を「Surface Pro」で効率化

忙しい生産農家を支援

 日本マイクロソフト株式会社は17日、北海道旭川市のたいせつ農業協同組合(以下、JAたいせつ)が、職員が生産農家の生産履歴を作成する端末として、「Surface Proシリーズ」を採用したと発表した。

Surface Proシリーズを採用
JAたいせつの職員が農家に出向いて支援

 北海道の3大米生産地の1つである上川地方の中心部に位置するJAたいせつは、水稲生産農家340戸、水稲作付面積約3500ヘクタールにおよぶ規模を誇り、北海道米の新品種「ゆめぴりか」などさまざまな農作物を全国に出荷している。

 食の安全・安心のために、生産農家による日々の生産日誌の記帳と、JAによるその回収・情報開示を行う「生産履歴記帳」や、農業生産工程管理(GAP:Good Agricultural Practice)の実施、地理情報システム(GIS)を活用した農用地情報の管理を積極的に行っている。

 これまでは、紙の書類に記入しOCR(光学式文字読取装置)も活用して作業を行ってきたが、収穫の多忙な時期に生産農家自身が細かな書類を手書きで作成するのは大きな手間となる。そこで、JAたいせつの職員が出向いて支援すべく、職員がデータを携帯し生産農家に入力してもらうための端末としてSurface Proシリーズを採用するとともに、入力用のWindowsストアアプリを開発した。

 Windowsストアアプリにより、現場ではわかりやすいタッチ操作で必要項目を埋めるだけで作業が完了するため、農業の専門知識が浅い職員でも生産農家に出向いて生産履歴のヒアリングが可能になった。また、ヒアリングとデータ化は1件あたり10~15分、全体(全戸分)でも1週間程度で完了。従来の手書き・OCRによる作業では3~4カ月かかっていたため、作成期間と人件費の大幅な削減につながったという。

生産履歴(作物)画面
生産履歴(品種)画面

 JAたいせつでは、まずはSurface Proシリーズを数台規模で活用しているが、今後は100台規模へと順次拡充する方針としている。

川島 弘之