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マイクロソフトの月例パッチに不具合、起動できなくなる症状も

 マイクロソフトが8月13日に公開したWindowsの更新プログラムが原因で、正常に終了できない、再起動ができないなど深刻なトラブルが多数報告されている。マイクロソフトは原因となった更新プログラムを特定し、対処方法を公式に発表した。現在、この更新プログラムの配布、ダウンロードは中止されている。

 一般に報告されている問題の多くは、更新プログラム適用後、最初の再起動は完了するが、次の再起動時に失敗するというものだ。場合によってはブルースクリーン画面が表示されることもあるようだ。

 Windows 8.1/8/7で多くのトラブルが報告されているが、マイクロソフトでは問題の適用範囲としてWindows 8.1/8/RT/7 SP1/Vista SP2、またサーバー製品のWindows Server 2012 R2/2012/2008 R2/2008/2003としている。

 マイクロソフトの日本のセキュリティチーム公式ブログでは、15日にこの問題を説明し、対処方法を公開した。また、現時点でサポート技術情報の英語版はバージョン4.1で、復旧方法などを説明しているが、同じ文書の日本語版はバージョン2.0であり、復旧方法の説明がまだ翻訳されていない状態だ。上記ブログでは、このサポート技術情報は数日程度で日本語版が公開されるとしている。

 問題が発生した場合の復旧手順としては、セーフモードで起動後、コマンドプロンプトから問題のファイルを削除し、レジストリエディタを使ってレジストリを編集し、その後、問題の更新プログラム4つをアンインストールし、再起動するという手順となる。詳しくは、公式ブログの該当記事を参照していただきたい。

◇日本のセキュリティチーム公式ブログの該当記事
http://blogs.technet.com/b/jpsecurity/archive/2014/08/16/2982791-knownissue3.aspx

 現在Microsoftではこの更新によって3種類の問題が発生することを確認しているが、起動不能になる可能性がある最も深刻な問題の原因は、以下の4つの更新プログラムに関するものとなっている。

・2982791 [MS14-045] カーネルモードドライバーのセキュリティ更新プログラムについて(2014年8月12日)
・2970228 Update to support the new currency symbol for the Russian ruble in Windows
・2975719 August 2014 update rollup for Windows RT 8.1, Windows 8.1, and Windows Server 2012 R2
・2975331 August 2014 update rollup for Windows RT, Windows 8, and Windows Server 2012

 もしWindows Updateを適用していないのであれば、マイクロソフトの対策が行われるまでの期間、これら更新プログラムのインストールを見合わせることが無難だろう。

 マイクロソフトでは、起動不能になるなど問題が発生した場合に、復旧方法手順の中で上記更新プログラムをアンインストールするように説明している。しかしそれ以外の場合にアンインストールするなどの対策が必要かどうかについては説明していない。

【追記 2014/8/19 13:00】
 マイクロソフトは、特に問題が発生していない環境においても、「予防的措置」として、MS14-045など問題となっている更新プログラムをアンインストールすることを推奨すると発表した。日本のセキュリティチーム公式ブログの記事に追記するかたちで示した。詳細は、本誌8月19日付の関連記事『マイクロソフト、「予防的処置」としてMS14-045などのアンインストール推奨』を参照。

青木 大我 taiga@scientist.com