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リアルタイムデータ分析「Amazon Kinesis」、東京リージョンでも提供開始

 アマゾンウェブサービスは17日、ビッグデータ分析サービス「Amazon Kinesis」が東京リージョンからも提供開始されたと発表した。

 Amazon Kinesisは、大量のストリーミングデータをリアルタイムに処理するマネージドサービス。Hadoopで使用されているようなバッチ指向のアプローチではなく、流れるデータをリアルタイムに分析できるのが特長。極めて多数のソースから、1時間あたり数TBのデータを処理できる。

 例えば、Webサイトのクリックストリーム、マーケティングおよび財務に関するトランザクション、ソーシャルメディアからのフィード、ログや計測データ、位置情報の追跡機能を用いたイベントといったリアルタイムデータを処理するアプリケーションを、より簡単に構成できるという。

 Amazon S3(Simple Storage Service)、Amazon EMR(Elastic Map Reduce)、Amazon Redshiftなどへデータを送信することも可能。サードパーティ製品も組み込めるため、開発者は主要なオープンソース製品を始め、自由にデータ処理方法を選べるという。

 また、開発者向けにクライアントライブラリを用意。これを使用中のJavaアプリケーションに追加するだけで、リアルタイムデータ処理アプリケーションを設計・運用できるという。

 今回、AWSの東京リージョンでも提供が開始されたため、日本の顧客もAmazon Kinesisに気軽にアクセスできるようになる。

 先行事例として、ガリバーインターナショナルが7月15日に双方向コミュニケーションサービス「DRIVE+」を発表。交通情報やガソリン残量、認証、故障・修理サポートなど、自動車に関するリアルタイム情報を提供するもので、そのデータ収集と解析にAmazon Kinesisを利用している。

 Webコンサルティング会社のペンシルは、戦略的サイト分析ツールでAmazon Kinesisを採用。Webサイト上でのマウスカーソルの動き、ユーザーアクセス、ページ閲覧者のデータ一覧といったアクティビティを提供するリアルタイム・ユーザーモニター機能を、わずか2週間で開発できたとしている。

 AWSコンサルティングパートナーのALBERLTは、デジタルマーケティングプラットフォーム(DMP)「smarticA!DMP」を提供しているが、独自のデータ分析技術とAmazon Kinesisを組み合わせてリアルタイムにデータ分析する技術を開発。従来はバッチ処理により数時間かかっていた計算処理をほぼリアルタイムに行えるようにした。

川島 弘之