ニュース

ドコモ、クラウドとモバイルで医用画像を病院間共有する「JOIN」

 スキルアップジャパン株式会社(以下、スキルアップ)と株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)は15日、病院の医師間や異なる病院間での医用画像の共有・参照・連絡を可能にするモバイルクラウドソリューション「JOIN」を発表した。医療機関向けに8月4日から提供する。

 医用画像共有システムをクラウド化するためのもの。今まで院内に設置されてきたサーバーの費用や運用負荷を軽減する。導入した医療機関の医師などは、院外に設置するJOINクラウドサーバーにスマホやタブレットからアクセスし、いつでもどこでもセキュアな環境で患者の医用画像を確認できるという。

 病院同士でデータ共有の設定を行うと、ほかの病院が保有するデータを閲覧することも可能となる。データ共有機能だけでなく、医療関係者同士で連絡を取り合う機能も備えるため、担当医師や専門医師が不在の場合でも、画像を参照しながら連絡を取り、アドバイスが受けられるという。

システムイメージ

 セキュリティについては、通信の暗号化に加え、施設ごとにキャッシュ期間、セキュリティレベル、起動パスコードの設定が可能。院内の各システムとはVPNで接続する。また、管理者が各所属医療従事者の利用状況を確認し、アカウント追加、権限変更、グループ設定、他医療機関との連携などを自由に設定できる管理機能も備える。

 JOINの提供にあたっては、スキルアップがシステム開発を担当し、ドコモが全国の法人営業拠点を生かし各医療機関や自治体への提案・販売を担当する。すでに東京慈恵会医科大学附属4病院をはじめ、全国15の病院で導入が予定されている。

 これに伴い、ドコモは「メディカルICT推進室」を新設。新たな成長を目指す新領域事業の一環として、医療・介護機関やソリューションベンダーなどのパートナーシップを通じ、モバイルICTによる医療・介護分野の課題解決を図るとする。

 業務内容は、「医療・介護分野におけるICTの最大推進戦略立案」「パートナーとの連携体制の構築・運用」「マーケティングの実施」「全国法人営業部門と連携した営業活動」で、組織規模は約20名。8月1日付けで設立する。

川島 弘之