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日本IBM、モバイル管理機能を包括的に提供する「MaaS360」

SaaS版とオンプレミス版を用意

 日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は25日、端末やアプリケーション、コンテンツなどを統合管理するモバイルソリューション「IBM MaaS360」を発表した。IBMデータセンターからサービスを提供するSaaS版と、ユーザー企業が自社データセンターで運用するためのオンプレミス版を用意しており、同日より販売開始する。

 MaaS360は、スマートデバイスを企業内で活用する場合に必要となるセキュリティや管理機能などを提供するサービス。端末を管理するモバイルデバイス管理(MDM)、アプリケーションを管理するモバイルアプリケーション管理(MAM)、コンテンツを管理するモバイルコンテンツ管理(MCM)といった機能を包括的に備えており、エンタープライズ・モビリティ管理(EMM)として提供する。

 日本IBM ソフトウェア事業本部 Cloud&Smarter Infrastructure事業部長の林健一郎氏は、1)包括的なモバイルデバイス管理、2)企業データを保護するモバイル・コンテナ、3)セキュリティで保護されたドキュメント共有、4)VPN不要のイントラネットアクセス、の大きく4つに分けてMaaS360の特徴を説明した。

日本IBM ソフトウェア事業本部 Cloud&Smarter Infrastructure事業部長の林健一郎氏
4つの特徴

 1)は主にMDM機能を中心とする部分で、デバイスの登録、セキュリティプロファイルの登録、パスワードの管理、端末紛失時のリモートワイプやロケーションサーチなど、一通りの機能を搭載する。

 2)は、モバイル環境でコンテンツをどうセキュアに守っていくか、という部分に焦点を当てた機能群。セキュリティで管理された「Secure Mail」「Secure Browser」などのアプリケーションにより、ビジネスの情報を保護するという。林氏は「BYODで使うのであれば、ビジネス以外のパーソナルな利用も同じ端末で行うだろう。今は混在してしまっているが、プライベートエリアとビジネスのエリアを分けて管理することにより、企業の情報をコピー&ペースとしてGmailにコピーする、といったことを禁止できる」と述べた。

 続いて3)では、企業内コンテンツをセキュアに扱う機能などを提供する。また4)は、企業システムとの連携をシームレスに行うための機能。VPNなどを特に利用せず、「HTTPS(ポート443)のテクノロジーを利用し、ファイアウォールの設定変更やアプライアンスの導入などを行わずとも、余分な手間をかけずに、セキュアに企業システムへのアクセスを行えるのが特徴だ」とした。

 また、Android、iOS、Windows Phoneなど市場に存在する端末を可能な限り網羅していること、FISMA(連邦情報セキュリティマネジメント法)の認証を取っていることなども評価されているとのこと。

 参考価格は、SaaS版が1ユーザー・1モバイル端末あたり月額100円(税別)から、オンプレミス版の年間ライセンスが1モバイル端末あたり1000円(税別)から。全機能を利用する場合は、それぞれ約800円(税別)、約8000円(税別)になるという。

さまざまなセキュリティ機能や、企業システムとのゲートウェイ機能などを備えている

石井 一志