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京大病院がテレビ会議を導入、14の病院が連携する臨床研究プロジェクトで

 京都大学医学部附属病院(以下、京大病院)の臨床研究総合センターが、日本アバイアのビデオ会議システム「Avaya Scopia Elite 6000」を採用した。国内14の大学病院と連携し共同で臨床研究を行う「開花プロジェクト」の会議や打ち合わせに、3月より活用している。日本アバイアが16日、発表した。

 京大病院は、2013年に厚生労働省の「臨床研究中核病院」、文部科学省の「橋渡し研究加速ネットワークプログラム」の実施期間に選定された。臨床研究中核病院は、世界に通用する日本発の革新的な医薬品・医療機器の創出を目的に、臨床研究や難病などの医師主導治験や、市販後臨床研究の中心的役割を担う病院のこと。橋渡し研究加速ネットワークプログラムとは、シーズ(医薬品・医療機器の候補となる物質など)育成能力を強化し、恒久的なライフサイエンス分野の基礎研究の成果を、実際の医療に活用する橋渡し研究支援拠点の確立を目指したもの。

 京大病院は治験ネットワークのさらなる促進に取り組むため、2013年4月に臨床研究総合センターを開設。企業治験の受託に限定しない、医師主導型の治験・臨床研究において、共同作業、情報交換、人材育成支援、臨床研究ネットワーク内で質の高い臨床研究に取り組み、優れた医薬品・医療機器をいち早く患者に提供することを目指している。

 他の医療機関とのネットワークについては「開花プロジェクト」という協力体制の下、中部・西日本を中心に(京大病院をのぞいて)現在14の大学病院が参画しており、そのコミュニケーションにScopia Elite 6000を活用。

 具体的には、「開花プロジェクト」の定期的な会議、研究者・医師・臨床研究コーディネーター(CRC)との打ち合わせ、他施設共同臨床試験の班会議、治験・共同臨床試験におけるプロトコル(試験実施計画書)の進ちょく状況や結果に関する会議などで活用されている。

 参画機関は以下の通り。

・岐阜大学医学部附属病院、
・三重大学医学部附属病院、
・福井大学医学部附属病院、
・京都府立医科大学、
・大阪市立大学医学部附属病院、
・和歌山県立医科大学、
・岡山大学病院、
・鳥取大学医学部附属病院、
・山口大学医学部附属病院、
・徳島大学病院、
・長崎大学病院、
・熊本大学医学部附属病院、
・鹿児島大学医学部・歯学部附属病院/鹿児島大学大学院医歯学総合研究科、
・他1大学病院
※ 京都大学医学部附属病院を含めると合計15

 京大病院では医師や研究者が出張せずにテレビ会議を行うニーズが今後も増えると見据え、将来的にはテレビ会議の環境を拡大したい考え。多地点間での遠隔カンファレンス(診療相談または症例検討会議)での活用も検討している。

川島 弘之