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kintone、カスタマイズ開発を効率化する「プラグイン」機能
(2014/6/9 13:01)
サイボウズ株式会社は8日、業務アプリクラウド「kintone」をアップデートし、カスタマイズ開発を効率化する「プラグイン」機能の提供を開始した。
kintoneで昨今増えている基幹システム連携、JavaScriptカスタマイズの導入事例。例えば、Francfrancでは、商品開発のスピードに追随できるシステムを構築するため、Excelで行っていた発注残管理をkintoneに移行し、社内での納期確認、発注データ登録、マスタデータ登録、発注状況の集計、商社からの納期登録を一手に担う発注残管理システムを開発。kintoneで商品コードを入力すると基幹システムにある商品マスタデータを参照し、商品名や価格といった情報を自動的にkintoneに反映する仕組みや、kintoneのデータを集計用に前日との変更箇所に色をつけたExcelシート形式で出力する仕組みを備えるなど、基幹システムとの連携を実現している。
kintoneでは、2014年4月から価格プランを、カスタマイズなしの「ライト」と、API・JavaScriptカスタマイズや既存システムとのデータ連携が可能な「スタンダード」の2種類に刷新。その結果、5月の新規契約のうち「スタンダード」が6割を占めるなど、kintoneのカスタマイズ開発で柔軟に業務に合わせられるシステムを構築するニーズの高まりがうかがえるという。
そこで、今回はカスタマイズ開発をさらに効率化するプラグイン機能をリリースする。これまでkintoneのカスタマイズ開発を行う際には、複数のJavaScriptファイルを1つずつ読み込む必要があった。また、カスタマイズに関する設定を変更する際は、JavaScriptファイルの内容を書き換えなければならなかったという。
新しいプラグイン機能では、複数のファイルをまとめて1つの「プラグイン」としてアプリに適用でき、GUIの設定画面も作成できる。これにより、開発コストが下がり、それぞれの顧客に合ったシステムを素早く手軽に提供できるようになる。また、ユーザー側でも画面上で設定変更が可能となるため、メンテナンスコストを抑えることが可能という。
今回提供するのは、クラウドストレージ「Box」、カスタマサポートソフト「Zendesk」との連携プラグイン。いずれもサイボウズが開発したもの。
前者は、kintoneのレコードとBoxのフォルダを関連づける。kintoneのフォームにBoxのフォルダが表示され、Box上のファイルのアップロード・ダウンロード・プレビューが可能になるという。後者は、ZenDeskで管理している問い合わせ(チケット)をkintoneに表示する。kintoneの顧客リストアプリにZenDeskで受けた問い合わせをひも付けられるという。
今回利用できるのはサイボウズが開発したプラグインのみだが、今後はサイボウズ以外もプラグインを開発・提供できるようにする予定。今秋をめどに技術ドキュメントや任意プラグインの読み込み機能などの準備を進めているとのこと。
このほか今回のkintoneアップデートでは、トークン生成機能など5つの新機能をAPIに搭載している。