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NTTドコモとネットワークベンダー3社、NFV技術に関する実証実験に成功

 株式会社NTTドコモは27日、仏Alcatel-Lucent(以下、ALU)、シスコシステムズ合同会社(以下、シスコ)、日本電気株式会社(以下、NEC)の3社と、ネットワーク仮想化技術に関する実証実験に成功したと発表した。

 ETSI ISG NFVなどで実現を目指しているネットワーク仮想化(Network Functions Virtualization:NFV)は、これまで専用ハードウェア上で動作していたEPCなどの通信ソフトを、x86サーバーなどの汎用ハードウェア上で、仮想化基盤を用いて動作させる。NFVが実現すると、仮想化レイヤ上での通信ソフトの追加・切り替えといった制御は、仮想化管理システムからのソフトウェア制御によって行われるため、管理下に構築された、どのハードウェア上でも動作できるようになる。

 今回成功した実証実験では、NFVの一形態として、LTEのデータ通信機能を担うEPC(Evolved Packet Core)のソフトウェアに仮想化技術を適用し、EPCの基本的な動作を確認した。さらに、EPCを管理するシステムからの制御により、顧客が利用するデータ通信量に応じて処理能力を増やす機能や、ハードウェアが故障した際に、自動かつ短時間で別のハードウェアへシステムを再構成し、データ通信を安定的に継続する機能の動作確認を行ったという。

 また今後は、今回の結果に基づき、ALU、シスコ、NECの3社に加えて、その他のベンダーと協力関係の構築も進めるとのこと。さらに、通信設備を構成するハードやソフトを複数のベンダーで自由に組み合わせた実証実験を行い、2015年度の商用化を目指すとしている。

石井 一志