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プライベートクラウドを構築する「SUSE Cloud 3」にHA機能

 ノベル株式会社は19日、プライベートクラウドを構築する「SUSE Cloud」に高可用性(HA)機能を追加したと発表した。最新版「SUSE Cloud 3」においてHA機能の設定と展開を自動化できるようになり、プライベートクラウドの迅速な導入と安定した継続稼働が保証されるという。

 SUSE Cloudは、プライベートクラウド構築向けのOpenStackディストリビューション。自動化機能、セルフサービス機能、ワークロード標準化といった機能をによって動的かつ柔軟にインフラを構築できる。

 SUSE Cloud 3は、OpenStack Havanaをベースに、Crowbarプロジェクトによるインストールフレームワークを搭載し、クラウドインフラの管理・展開を自動化している。これにより、OpenStack Grizzlyベースの前バージョンからのアップグレードに対応する。

 オーケストレーション機能も搭載し、事前に設定したテンプレートに基づき、複数の仮想マシンを自動で制御・調整できる。このオーケストレーション機能を通じて、特定アプリに必要なサーバー、フローティングIP、ボリューム、セキュリティグループといったインフラコンポーネントを、これらのリソース間の関係とともに識別でき、プログラム化されたクラウドの管理を可能にするという。

 また、インフラリソースやユーザーによる利用料を計測し、その稼働を計測・モニタリングするテレメトリ機能も搭載。収集したデータは課金システムに送り込める。オーケストレーション機能の自動スケーリングサービスとも連動し、計測結果から必要に応じてリソースを増減することも可能だ。

 これらに加えて今回、HA機能が追加された。オープンソースのクラスタリングソリューション「SUSE Linux Enterprise High Availability Extension」の各種コンポーネントが採用され、x86サーバー上で稼働するミッションクリティカルなワークロードをシステム障害から保護する。プライベートクラウドのコントロールプレーンのダウンタイムに起因するサービス停止を回避できるほか、機敏性が求められる業務処理に必要なリソースへの継続的なアクセスを保証するとしている。

 HA機能は、SUSE Cloudのサブスクリプションに含まれ、追加費用なしで利用可能。SUSE Cloudの価格はおよそ120万円からとなる。

川島 弘之