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さまざまな業務で3Dデータを共有・活用できる「SAP 3D Visual Enterprise 8.0」

 SAPジャパン株式会社は25日、3D CADモデルと業務データを統合し、複数の拠点や業務部門間でコンテンツの共同作成・編集・活用を可能にする「SAP 3D Visual Enterprise 8.0」を発表した。

 SAP 3D Visual Enterprise 8.0は、3Dデータ活用アプリケーション。3Dアニメの作成や画像のレンダリングを行える「SAP 3D Visual Enterprise Author」と3Dアニメによる作業手順を再生・表示する「SAP 3D Visual Enterprise Viewer」を同日より、3D CADデータの軽量なファイルフォーマット変換や画像コンテンツの作成を自動化するサーバーアプリケーション「SAP 3D Visual Enterprise Generator」を5月より提供する。

 昨今、製造業を中心に3D CADが広く使われているが、3D CADデータは非常に大容量なため共有が難しく、設計部門での利用に限られているが一般的。こうした課題に対して、SAP 3D Visual Enterpriseでは、3D CADを一般のPCやタブレット端末でも利用できる軽量なファイルフォーマットに変換する。これにより、設計・開発部門だけでなく、製造部門、営業部門、保守・サービス部門、マーケティング部門など企業のあらゆる部門にわたる幅広い業務で、部品表、製品や部品の仕様、全体構成図、形状といった3Dコンテンツを活用できるようになる。

 具体的な用途としては、作業手順の3Dアニメ化や、製品や部品のビジュアル表示といった視覚的なコミュニケーションによる教育の早期化、設計部門から後続部門への製品情報のスムーズな引き渡し、海外展開において言語や文化の異なる現地スタッフに対して、3Dアニメで視覚的に作業指示を与える――などを想定。業務のスピードアップはもちろん、グローバルで作業品質を向上するのに役立つとする。

 SAP ERPなどの業務システムに組み込んで3Dコンテンツを一元管理・運用することも可能なので、設計・開発からアフターサービスに至るまで、業務プロセスと完全に連携した3Dデータの活用が可能とのこと。

 新版では、SAP 3D Visual Enterprise Generatorを強化し、サードパーティ製のPDM(Product Data Management)から直接CADデータを取得可能に。既存のPDM環境を生かしたまま、SAP 3D Visual Enterpriseで3D CADデータを活用できる。

 また、SAP 3D Visual Enterprise Authorを強化し、3Dデータだけでなく、2D CAD図面や画像データの活用も可能に。2Dコンテンツと業務データをインタラクティブに連携させ、2Dグラフィックスの国際標準フォーマットであるCGM
形式のファイルで出力できる。

 そのほか、SAP 3D Visual Enterprise ViewerがiPad、Androidに加え、Windows 8タブレットに対応した。

川島 弘之