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A10、次世代ADC製品「Thunderシリーズ」の新機種

業界初の100GbEポート搭載ハイエンドモデルなど4機種

A10ネットワークス 代表取締役社長兼CEOの小枝逸人氏

 A10ネットワークス株式会社(A10)は17日、次世代ADC(アプリケーションデリバリーコントローラー)製品「Thunderシリーズ」の新機種として、ハイエンドモデル「Thunder 6630」「Thunder 5630」、ミッドレンジモデル「Thunder 5430-11」「Thunder 4430」の計4機種を追加し、5月12日より受注開始すると発表した。最上位モデルの「Thunder 6630」は、業界初のレイヤー4-7向け100Gbポート搭載のADC製品となっている。

 今回の新機種発表にあたり、A10ネットワークス 代表取締役社長兼CEOの小枝逸人氏が同社の事業戦略について説明した。「当社は、最新のマーケットに適したソリューションを提供することに加え、独自に4つのビジネスエンジンを設定して事業を展開している。まず、業界の先進ユーザーでの導入実績を作っていく『Customers』。パートナーや顧客とのバリューチェーンを構築する『Partnerships』。本社との強力な連携によって地域ごとのニーズに対応する『Global Presence』。そして、顧客の要望を取り入れて製品開発や組織編成を行う『Customer Driven Innovation』の4つである」と、パートナーや顧客を重視した事業戦略を進めているという。

 「この4つのビジネスエンジンを徹底的に追求した結果、フロスト&サリバン社の2013年国内ADCマーケット調査において2年連続トップシェアを獲得することができた。また、今年3月21日には、米国本社がニューヨーク証券取引所に株式を上場している。しかし、これに満足することなく、今後も4つのビジネスエンジンを軸にして、真の顧客志向を追求するとともに、芯のある企業として長期的な成長を目指していく」と、小枝氏は、今後のさらなるビジネス成長に意欲を見せた。

A10ネットワークスの4つのビジネスエンジン
2013年国内ADCマーケットシェア(フロスト&サリバン社調べ)

 「Thunderシリーズ」は、A10独自のAdvanced Core Operating System(ACOS)ソフトウェアを基盤として、ネットワークとデータセンターアプリケーションを高速化し、セキュリティを高める次世代ADC製品。これまで、ハイエンド・ミッドレンジモデルとして「Thunder 6430」および「Thunder 5430」の2機種を展開していたが、今回、このラインアップに、新たにハイエンドモデル「Thunder 6630」「Thunder 5630」、ミッドレンジモデル「Thunder 5430-11」「Thunder 4430」の計4機種を追加する。A10ネットワークス ソリューションアーキテクトの高木真吾氏は、「クラウドの成長やモバイルデバイスの普及、ネットワーク帯域の拡大にともない、さらに大容量なトラフィックに対応できるプラットフォームへのニーズが高まってきている。こうしたニーズに応えるため、今回、次世代ADC製品のハイエンド・ミッドレンジモデルを拡充する」と、新機種を投入する狙いを述べている。

A10ネットワークス ソリューションアーキテクトの高木真吾氏
「Thunderシリーズ」のハイエンド・ミッドレンジモデル
最上位モデル「Thunder 6630」

 新機種の中でも、特に注目されるのが最上位モデルの「Thunder 6630」だ。業界で初めて100GbEインターフェイスを搭載したADC製品で、「これにより、大容量バックボーンへの接続性を確保することが可能となる。また、ファイバー・インターフェイスの数を削減でき、インターフェイスコストの低減を図ることもできる」と、高木氏は、100Gbインターフェイスをサポートする「Thunder 6630」のメリットを強調した。さらに、「Thunder 6630」では、ラインアップ最多の24CPUコア数を搭載するとともに、SSL処理性能の向上も実現。「『Thunder 6430』と比較して、L4 CPS、SSL CPSともに30%向上している」(高木氏)という。

 このほかの新機種の特徴としては、ハイエンドモデル「Thunder 5630」は、2+2の高効率冗長化電源を搭載し、「Thunder 6630」と同等の高いSSL処理能力を備えている。ミッドレンジモデルの「Thunder 5430-11」は、コンパクトな筐体サイズでありながら、CPUコア数を、従来モデル「Thunder 5430」の8から10に増強し、L4 CPSを35%向上。SSL処理性能も60%向上している。「Thunder 4430」は、最新のインテルXeon 6コアプロセッサと最新の専用ハードウェアチップFTA-3を搭載し、SSL処理性能を大幅向上。従来モデルの「AX3400」に比べて消費電力を5%低減するとともに、SSL CPSを3.5倍に向上している。

 税別価格は、「Thunder 4430」のAC電源モデルが1055万9000円から(テクニカルサポート費用は別途)。全モデルとも、5月12日より受注を開始し、出荷開始は「Thunder 4430」と「Thunder 5430-11」が5月19日、「Thunder 5630」と「Thunder 6630」は2014年第2四半期中を予定している。

唐沢 正和