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シスコ、SDNのサウスバウンドAPI「OpFlex」を公開
「Cisco UCS」フラッシュアレイも発表
(2014/4/16 06:00)
シスコシステムズ合同会社(以下、シスコ)は15日、サーバーシステム「Cisco UCS(Unified Computing System)」と、アプリケーションを意識したネットワーク管理体系「Cisco ACI(Application Centric Infrastructure)」に関して記者説明会を開催した。
国内でもACIを6月から、UCSのフラッシュストレージ製品「UCS Invicta」を4月末から提供開始する予定。また、4月2日に米国で発表された、ACIにおけるSDNのサウスバウンドAPI「OpFlex」についても解説した。
UCS用のフラッシュストレージを日本でも4月末に提供開始
米Cisco Systemsのグローバルデータセンター/バーチャライゼーションセールス担当のシニアバイスプレジデントであるフランク・パロンボ氏が、同社のデータセンターソリューションのポートフォリオにおけるUCSとACIについて解説した。
UCSは仮想化やクラウドに最適化されたサーバーシステムで、3月で5周年を迎えた。パロンボ氏は、「x86サーバーはコモディティと思われていたが、われわれはネットワークの価値をもって参入し、短い期間でブレードサーバーのシェア第2位となった」と語った。
このUCSの新しい製品として紹介されたのが、フラッシュストレージアレイの「UCS Invicta」だ。2013年9月に買収したWhiptail社の技術をベースに、2014年1月にUCSのサーバーシステムのストレージアレイとしてリリースし、米国で2月から提供を開始した。「ビジネスにおける判断のスピードは、日や時の単位から分や秒の単位に変化してきており、そのための高速なデータ分析プラットフォームのニーズに応える」(パロンボ氏)。
日本でのビジネスについては、シスコのユニファイドコンピューティング事業担当執行役員の俵雄一氏が解説。日本市場でも4月末にUCS Invictaを販売・出荷を開始する。UCS Invictaの販売パートナーは、4月末時点で9社を予定している。
ACIを日本で6月から提供。サウスバウンドAPI「OpFlex」も公開
続いてCisco ACIについて、パロンボ氏は「アプリケーションはビジネスに結びついたものであり、ネットワークがすべてのアプリケーションの仲介者になっている。そのネットワークにアプリケーションの“言語”を教えていくのがACIだ」と説明した。いわば、アプリケーションのポリシーにもとづいたSDN(Software Defined Networking)といえる。
氏はACIの3つの柱として、ACIに対応した「Cisco Nexus 9000シリーズ」スイッチと、コントローラの「Application Policy Infrastructure Controller(APIC)」、業界のエコシステムを挙げる。なお、Nexus 9000シリーズのスイッチ製品「Nexus 9504」および「Nexus 9516」が、日本でも15日に発表されている。
ACIの最新動向として、ACIのサウスバウンドAPI(コントローラからスイッチを制御するAPI)の「OpFlex」プロトコルのオープン化が発表された(米国では4月2日に発表)。IETFでの標準化を進めており、Avi Networks、Canonical、Citrix、Embrane、F5 Networks、IBM、Microsoft、Red Hatの8社が参加を表明しているという。
「SDNのサウスバウンドAPIにはすでにOpenFlowがある。しかし、OpenFlowでは細かいところまで命令しなければならず、大規模なネットワークでは管理が難しくなる。OpFlexでは、ポリシーの情報をハードウェアやハイパーバーザーのスイッチに送り、スイッチ側のエージェントがそれぞれのデバイスや環境にあわせた形でプロビジョニングする」(パロンボ氏)。
日本市場へのACIの投入については俵雄一氏が説明。3~5月にベータテストを実施し(シミュレータ5社、実機3社)、6月に提供開始予定。提供開始時の販売パートナーは、4~7社を予定しているという。
ACIに向けた国内のNexus 9000の導入事例として、俵氏は株式会社サイバーエージェントの事例を紹介した。データセンターごとにバラバラなアーキテクチャで管理されていたのを、Nexus 9000とACIを採用することで、自社開発のクラウドコントローラとAPICの組み合わせにより、CAPEXとOPEXを削減するという。