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ソフト保守をベンダーの半額で提供、米Rimini Streetが日本上陸
SAPとOracleのERPなどが対象
(2014/3/7 06:00)
ソフトウェア保守サービスの独立系プロバイダーである米Rimini Streetは3月6日、日本オフィスとして日本リミニストリート株式会社を設立し、ベンダーに依存しないソフトウェア保守サービスを国内企業に向けて本格的に提供開始することを発表した。
Rimini Streetは、SAPの「Business Suite」や「Business Objects」をはじめ、オラクルの「E-Business Suite」「Siebel」「PeopleSoft」「JD Edwards」「Hyperion」「Oracle Retail」「Oracle Database」など数多くのビジネスソフトウェアの保守に高品質なレベルで対応する独立系のソフトウェア保守サービスプロバイダー。これまでに、Fortune 500の49社を含む、500社以上のグローバル企業が同社の保守サービスを利用しているという。
日本市場での本格展開にあたり、Rimini Street CEOのセス・ラビン氏は、「現在、日本の企業は、SAPおよびオラクル製品の保守サービスに対して多額のコストを支払っている。SAPやオラクル製品を利用する場合、一般的にソフトウェアライセンスの費用に加えて、その約22%の年間保守サポート費用が必要となる。つまり、ソフトウェアライセンスが1億円であれば、保守サービスにかかるコストは年間2200万円にもなる。そして、日本企業全体では、年間で1200億円を超える保守サービス費用を支払っていると推定される」と、日本のエンタープライズ保守サービスが抱える課題を指摘する。
「こうした市場背景のなかで、当社が本格参入することにより、SAPとオラクルのソフトウェア保守サービスに関して、日本で初めて競争がもたらされることになる。欧米では、すでに多くの企業が当社の保守サービスを利用しているが、今後は、日本企業にもSAPとオラクルだけでなく、保守サービスの新たな選択肢を提供することが可能になる」と、ラビン氏は力を込める。「当社では、SAPとオラクルに代わって、高品質なソフトウェア保守サービスを提供する。その費用は、SAPやオラクルに支払っている年間料金よりも50%も安価だ。また、バージョンアップの新旧を問わず、ソフトウェアを最大15年間サポートする。この間、企業はベンダーからのアップグレードを強制されることがなくなる」と、ラビン氏は、同社の提供する保守サービスのメリットを訴えた。
さらに、Rimini Streetの保守サービスでは、日本を含む200か国の税制改正や法改正に対応した修正プログラムを一切の追加費用なしで受けることができるほか、経験豊富なサポートエンジニアによる迅速なサービスを24時間365日にわたって利用することが可能になるという。
今回の日本市場への本格展開に向けて、同社では、2013年7月に日本法人として日本リミニストリートを設立。日本企業向けの営業およびサポート人員を大幅に強化している。日本リミニストリート 日本支社長の太田一矢氏は、「日本法人では、米国本社がグローバルに提供しているすべての保守サービスを提供する。日本専任のスタッフが、日本語によるサポートを行うとともに、米国、ブラジル、オーストラリア、インド、ドイツ、英国のエンジニアチームによる24時間365日のサポートも提供していく」と、日本市場でもグローバルと変わりない保守サービス事業を展開すると説明する。
「すでに、Pioneer USA、SEGA of Americaなど、グローバルにビジネスを展開する7社の日系企業において、これまでに年間数億円規模のコスト削減を支援してきている。そして、直近の四半期に、SAPユーザー1社、オラクルユーザー2社、合計3社の日本企業と新たに保守サービス契約を締結した。今後、さらに契約企業を増やしていく」と、太田氏は、日本市場でのビジネス拡大に意欲を見せる。「日本企業に向けて、ベンダー保守ではない、独立系の保守サービスという選択肢と価値を与えることで、日本においてもソフトウェア保守サービスの民主化を推進していく」との考えを示した。