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社内ファイルサーバーを安全にモバイル同期、「Acronis Access」発売

アクロニスが統合MCMの新製品

 アクロニス・ジャパン株式会社(以下、アクロニス)は5日、企業向け統合MCM(モバイルコンテンツ管理)新製品「Acronis Access」を発売した。

 Acronis Accessは、社内ファイルサーバー/NAS/SharePointをPCやモバイルデバイスと同期させる製品。いつも利用しているファイルサーバーにどこからでもアクセスし、ファイルの閲覧・編集・移動・削除が可能。

 PCからはWebブラウザを、スマートデバイスからはアプリを使って、社内ファイルサーバーの任意のフォルダを同期。一方向・双方向ファイル同期が可能で、常に最新のファイルをデバイス上に保存する。社内にあるファイルサーバーやストレージを、オンプレミス環境のまま、まるでDropboxのように利用可能にする製品だ。加えて、企業向けの機能を多数搭載するため、安全にファイルの共有が行える。

同期したフォルダではファイルがサムネイル表示される
操作性にすぐれたGUI
クリップボードもしっかりGUI化されている。非常に洗練された印象だ
同期フォルダの追加設定
WebブラウザでAcronis Accessを利用
ファイルをアップロード

 モバイル端末にダウンロードされたファイルはアプリ領域内で暗号化され、オフライン時も操作できる。Acronis Access自体にファイル編集機能があり、Officeファイルの編集やPDFへの注釈が可能。同期・共有ファイルの版管理や操作ログ管理といった機能も備える。

PDFにハイライト表示や手書き編集
メモも貼り付けられる
Excelを編集
ファイルの版管理
操作ログ管理

 管理者向け機能としては、Active Directory連携が可能。ADのセキュリティグループやユーザー単位でセキュリティポリシーを設定できる。ポリシー例としては、アプリパスワードの設定、ファイル・フォルダ操作の制御、ファイルのメール添付・印刷・テキストコピーの制御、端末上での他アプリへのファイル受け渡しをホワイトリスト/ブラックリストで制御、などが設定可能。

セキュリティポリシー
ホワイトリスト
ブラックリスト

 簡単なデバイス管理機能も備える。Acronis Accessに接続しているユーザーのデバイス固有情報、OSバージョン、ステータス、前回接続日時などを一覧でき、CSV/TXT/XML形式でエクスポートすることも可能。アプリパスワードのリセットやアプリのリモート初期化(リモートワイプ)も行える。そもそも、モバイル端末へのファイルダウンロードを制御(可否や有効期限の設定など)することも可能だ。

セキュリティポリシー
監査ログ
ファイル消去ポリシー
ユーザー期限切れポリシー

 また、社外の人とのファイル共有も簡単になっている。共有するフォルダを選び、メールを送れば、招待用URLが相手に送信される。

社外との共有
古舘與章氏

 昨今、企業向けのクラウドストレージも提供されているが、「Acronis Access」はファイル保管場所をオンプレミスで構築できるのが強みだ。リージョナルプロダクトマネジャーの古舘與章氏は「なぜ企業にMCMが必要なのか。企業のデータは企業とその顧客に帰属する。そのデータをSaaS上に保存することは、お金を銀行に預けるに等しい。その大事なデータを社員の私的利用アプリやクラウド上に保存することは、会社のお金を自分の銀行口座に預けるようなもの。予期しないセキュリティリスクやコンプライアンス違反を起こす可能性がある。それを守るのが、Acronis AccessのようなMCM製品だ」と説明した。

 同社は、社内サーバーに写真・動画・編集したファイルをアップロードしたい工事現場、工場、店舗などを中心に、在宅勤務や外部とのファイル共有が多い企業などに向けて訴求する考え。

 価格は、250ユーザーまでで2万5000円(税別)/ID。500ユーザーまでで2万円(同)/ID、1000ユーザーまでで1万7000円(同)/IDとボリュームディスカウントされる。ライセンスは1ユーザーから購入可能。ユーザー数に関係なく、すべての機能が利用できる。

 クライアント要件は、Windows 8/7/Vista/XP、Mac OS X 10.6以降、iPad/iPad mini/iPad Air、iPhone 3GS/4/4S/5/5S/5C、Android 2.2以降(フォンおよびタブレット)、Firefox/IE/Chrome/Safari。

川島 弘之