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ガートナー、2014年以降の国内エンタプライズ・アプリケーション展望

~「スピード」と「割り切り」がIT部門の緊急課題

 ガートナー ジャパン株式会社 は2月20日、2014年以降の日本におけるエンタプライズ・アプリケーションに関する展望を発表した。企業は既存のエンタプライズ・アプリケーション環境をスピーディに変革し、進化させていく必要に迫られていると述べ、「スピード」と「割り切り」がIT部門の緊急課題になるとしている。

 ガートナーでは、エンタプライズ・アプリケーションに関して「アプリケーション開発」「アプリケーション・インフラストラクチャ」「日本企業の海外拠点向けアプリケーション投資」「ERPとエンタプライズ・スイート」という4つの領域にフォーカスして調査を実施。

 日本におけるエンタプライズ・アプリケーション市場では、クラウドやモバイルに代表される新興テクノロジーとグローバル化の急速な進展を受け、アプリケーション開発・統合・展開における従来のアプローチが急速に陳腐化していると分析する。

 ガートナーは、こうした環境の変化により「既存の一枚岩的で密結合された、重厚長大なオンプレミス主体のアプリケーションのみでは、こうした急激な変化に対応することは難しくなる」と指摘。「来るべきアプリケーション変革への備えが十分にできていない企業のIT部門は、近い将来、エンドユーザーからの要求に応えることも、追加投資を正当化することもできず、存在意義を厳しく問われることになるでしょう」 と警告する。

 ガートナーは2017年までに変革が予想される重要なトピックとして以下の4つを上げる。(1)2017年までには、業務アプリケーション開発は8割が1年以内の完了を求められるようになる、(2)SaaSとオンプレミスの統合を迅速・低コストに行うニーズがiPaaS利用を押し上げる、(3)海外拠点を持つ日本企業の6割がアプリケーションの集約化に着手、半数が失敗する、(4)2017年までに、ERPを利用している日本の大企業の4割以上が機能の大半にアドオンを施すが、TCO増大に伴って追加投資の正当化が困難になる 。

 なお、ガートナーでは、3月10日~11日の2日間にわたって東京・品川で、「ガートナー エンタプライズ・アプリケーション & アーキテクチャ サミット 2014」を開催。 「俊敏な経営を支える『骨太』のアプリケーション戦略を策定せよ」をテーマとして、知見や取り組みを紹介する。

工藤 ひろえ