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NTTなど4社、サービスチェイニング技術活用のユースケースがETSIのPoCとして認定

 日本電信電話株式会社(以下、NTT)、シスコシステムズ合同会社(以下、シスコ)、ジュニパーネットワークス株式会社(以下、ジュニパー)、日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)の4社は10日、欧州の標準化団体ETSI(European Telecommunications Standards Institute)のNFV(Network Functions Virtualisation)に対して、サービスチェイニング技術を活用したユースケースの実現構成を提案し、ETSI公認のPOC(Proof of Concept:コンセプト実証)として、国内で初めて認定されたと発表した。世界でも2件目になるという。

 キャリアネットワークでは、ネットワーク上で実現する機能を仮想化する動きに注目が集まっており、ETSIを中心に、従来は個別の専用ハードウェア(アプライアンス)で実現されてきた機能を仮想化し、ネットワーク上の汎用サーバーに集約するための技術検討が進められている。

 サービスチェイニングとは、こうして仮想化されたネットワーク機能を選択的に利用するための技術。これまでのIPルーティングでは、経路制御を画一的に行うため、ユーザーごとの経路制御ができなかったが、サービスチェイニング技術を用いることにより、ユーザーに応じたさまざまな新サービスを迅速に提供可能になるという。

 また、その実現にあたってはインターオペラビリティが重要になるため、NTTは今回、シスコ、ジュニパー、日本HPと協力してユースケースの実現構成を提案した。

 NTTネットワーク基盤技術研究所では、仮想化されたネットワーク機能を選択的に利用できるよう、パケットに識別子を付与し、その識別子をもとに適切なネットワーク機能へパケットを転送する技術を検討している。今回のユースケースの実証構成では、シスコ、ジュニパー、日本HPの仮想アプライアンス製品(vDPI、vFW、vCPE)を利用し、サービスチェイニング技術により、ユーザーごとに必要とするネットワーク機能が選択的に利用できることを実証した。

 なお4社では、引き続き国内外のテレコムキャリア、ベンダーと協力しながら、IETFなどの国際標準化に貢献する考えで、数年後の実用化を目指し、今後も研究開発を進めるとしている。

石井 一志