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再春館製薬所、バックアップストレージに「Data Domain」を採用

テープライブラリからの置き換えでバックアップ時間を40%短縮

 EMCジャパン株式会社は21日、株式会社再春館製薬所が、重複排除バックアップストレージ「EMC Data Domain DD670」を導入したと発表した。重要業務データのバックアップに同製品を活用することで、従業員の作業時間を年間120時間以上削減したほか、データバックアップに掛かる時間も約40%削減される見込みという。

 年齢化粧品「ドモホルンリンクル」を製造・販売する再春館製薬所では、従来、受発注業務や生産管理業務にかかわる重要業務データを、6台のテープライブラリを利用して日次バックアップしていた。しかし、本番系、開発系、テスト系のすべてのデータをバックアップすると、テープライブラリをほぼ一日中フル稼働させる必要があり、イレギュラーなバックアップが発生した場合の対処が難しい上、万一の大規模自然災害時などに、迅速なリストアが行えない点も懸念されていたという。

 そこで同社は、こうした課題解決を目的に、ディスクベースのバックアップへの移行を決定。さまざまなバックアップソリューションを検討した結果、重複排除機能が優れていること、災害対策に不可欠な遠隔地へのレプリケーション機能を備えていること、データ容量の増大に柔軟に対応できるスケーラビリティがあることなどが評価され、ユニアデックスが提案したData Domainの採用を決めた。

 導入にあたって最も重視されたのは重複排除機能で、検討時はソフトウェアベースの重複排除ソリューションも候補に挙がったものの、重複排除効率や処理能力の低さが不安要因になったという。一方Data Domainは、ハードウェア処理によってブロックレベルでのインライン重複排除を高速に行える上、バックアップデータの容量を1/10~1/30に削減できると判断されたことが決め手になった。

 Data Domainの導入後、毎日約30分掛かっていたテープ関連作業が不要になり、社員の作業時間を年間120時間以上削減した。再春館製薬所ではこの時間を、さらなる顧客サービス向上に向けた企画立案など、情報システム部本来の業務に充てていく考え。またデータバックアップに掛かる時間についても、従来の約22時間から13~14時間前後へと、約40%の削減を見込む。

 このほか、従来はグループの警備会社に依頼して、バックアップ済みのテープを毎日遠隔地に搬送し保管していたが、Data Domainの導入により、Data Domain Replicatorを利用した遠隔地レプリケーションに切り替えたため、こうした作業も不要になっている。

 なお今回のプロジェクトでは、既存のシステム構成や運用手順にほとんど手を加えることなく、新たな環境を実現した点も特徴。バックアップソフトは以前から導入している製品を引き続き利用しているほか、ネットワーク構成にも基本的に変更を加えておらず、テープライブラリ装置をData Domainに置き換えただけで、課題を解消できたとのことだ。

石井 一志