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「Amazon Redshift」へのデータ転送を支援する米FlyData、日本市場へ
RDBMSのデータも転送可能な「FlyData Sync」を提供
(2014/1/9 16:39)
Amazon Redshiftへのデータローディングツールを手がける米Hapyrusは9日、日本市場へ参入。同時に社名を米FlyDataに変更するとともに、東京にFlyData株式会社(以下、フライデータ)を設立し、米Hapyrus創業者の藤川幸一氏を代表取締役として業務を開始する。また、新サービスとして、RDBMSからRedshiftへ簡単・安全にデータを転送する新サービス「FlyData Sync」の提供も開始した。
FlyData(旧Hapyrus)は、米カリフォルニア州で、経産省未踏プロジェクト採択プロジェクトを基に、2012年に藤川氏が創立した日本発シリコンバレー企業。インキュベータの500Startupをはじめ、日米の著名投資家から累計160万ドルの出資を受けて始動した。
従来、ログファイルからRedshiftへデータを転送する「FlyData for Redshift」を提供していたが、新サービスとして今回、主要RDBMSからもRedshiftへデータを転送できる「FlyData Sync」をスタート。ユーザー企業は専用のアプリを開発することなく、RDBMSから継続的にRedshiftへデータを投入可能となり、ログデータとRDBMS上のマスタデータを結合して、より深い分析やレポーティングが行えるようになる。まずはMySQLからサポートし、PostgreSQL、Microsoft SQL Server、Oracle Databaseなどに対応する予定。
Redshiftは、米Amazonが2013年2月15日にリリースした、クラウド型データウェアハウス(DWH)サービス。カラム指向のデータベースを備え、大規模データ分析に優れたパフォーマンスを発揮する。実際にFlyDataでRedshiftとHadoop+Hiveを検証したところ、「Redshiftがパフォーマンスで10倍上回った」(藤川氏)とのことで、2013年6月に「FlyData for Redshift」を提供して以降、米FlyDataの業績も毎月40%以上の伸びを見せている。特に、「ソーシャルゲーム、アドテクノロジー、デジタルマーケティング、Webサービスが活況な日本での成長が著しい」(同氏)という。
「FlyData Sync」によって、ログデータのみならず、RDBMS上のデータもRedshiftへ転送できるようになるため、基幹システムで発生しているトランザクションデータも組み合わせた深い分析が可能となる。「ゲームを例に取ると、このレベルのユーザーあるいはこの時期に参加したユーザーがこういう行動をしたといった分析が可能となる」(同氏)。
多額の投資が必要な従来のオンプレミス型DWHと比べて、年間10万円以下に抑えられるRedshiftのコストメリットも訴求点として、国内でのユーザー獲得にはげむ方針。