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富士通、日本の製造業を支援する「ものづくりソリューション」を体系化
3Dプリンタやビッグデータ分析など新サービスも提供
(2013/10/24 06:00)
富士通株式会社は23日、日本の製造業を支援する「ものづくりソリューション」を体系化した。
「ものづくりソリューション」は2012年10月に発表した「ものづくり革新隊」をはじめとした同社グループの製品・サービス群をPLM(製品ライフサイクル管理)軸とSCM(サプライチェーン管理)軸で体系化したもので、顧客の課題・取り組みテーマに応じた各種ものづくりソリューションを選定できるようになる。
具体的には、顧客と一緒に業務改革を行うコンサルティング、顧客のものづくり業務改善を支援するエキスパートサービス、顧客業務を請け負う受託サービス、顧客業務に活用するシステムの4領域で体系化した。
さらに新サービスとして、3Dプリンタによる試作をはじめ、同社工場のノウハウ・リソースを活用する「製造支援サービス」、工場生産のスムーズな稼動を支援する「ものづくりビッグデータ分析」、先進的な3D表示技術を活用する「仮想検証ソリューション」を提供開始する。
「製造支援サービス」は、製品開発で必要となる製品および試作品生産の受託を行う。長年同社で取り組んできた3Dデータを活用した仮想検証のノウハウを生かし、設計段階からの支援も可能なため、顧客は高品質な製品を低コスト・短期間で製造できるとする。
具体的には、人工衛星部品や自動車部品など複雑な精密部品を加工するサービス、3Dデータおよび2D図面や手書きのポンチ絵からでも試作品を製造する3Dプリンタを活用した試作サービス、製品に搭載される基板製造から最終製品の組み立てまで対応する同社工場を活用した製品の製造を支援するサービスの3点を提供。
また、工場では不良品を出さないためにさまざまな要因で一時的に生産設備を停止させ、その要因を取り除く対応を頻繁に行っているため、ビッグデータ分析によってその停止時間を最小化するのが「ものづくりビッグデータ分析」。生産設備の膨大なログデータをキュレーターが分析し、その結果からものづくりエキスパートがFJPS(FUJITSU Production System:富士通生産方式)の観点で改善余地を検討して実現する。
「仮想検証ソリューション」では、製品の組み立てプロセス検討を3Dモデル支援するデジタル生産準備ツール「VPS(Virtual Product Simulator)」、工場の生産ラインにおける作業員の動きをシミュレーションする「GP4」などを利用する仮想検証を強化。3D表現技術(VR)の最新技術に対応した新製品「EON Ibench Mobile/zSpace」「EON Icube Mobile」を2013年度末までに提供する。
同製品により、3D空間での検証をよりリアルに行うことができ、今までの仮想検証では限界とされていた感応性の領域まで検証範囲を拡大できるという。今後は富士通が設計・生産するような電機系製品にとどまらず、住宅・建材系、医療系など幅広い業種での利用も見込まれる。