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システムサポートが米国子会社を設立、在米日系企業向けのITサービスを提供へ

米STS Innovationの概要
システムサポートの代表取締役社長、小清水良次氏

 株式会社システムサポート(STS)は2日、100%子会社の米STS Innovationを7月に設立し、10月1日より営業を開始したと発表した。所在地はカリフォルニア州のサンタクララで、IT業界に関する最新情報の収集や、米国に進出した日系企業向けITサービスの提供などを行う予定。

 石川県金沢市に本社を置くシステムサポートは、システムインテグレーション(SI)や各種ソフトウェア製品などの提供を中核事業とし、金沢のほか、東京、名古屋、大阪などでビジネスを行ってきた。今回営業を開始したSTS Innovationは、初の海外子会社となる。

 この役割について、システムサポートの代表取締役社長、小清水良次氏は、「世界的なIT企業の本社がシリコンバレーに集中し、そこからイノベーションが世界に発信されている。東京にいても情報が遅いと思っている中で、ようやくオフィスが開設できた」と述べ、情報収集において大きな役割を期待していると話す。

 また、「米国へ進出している日系企業は、日本ほどITを使っていない」という点を指摘した小清水社長は、こうした日系企業への支援を、STS Innovationを通じて提供する考え。「当社はメーカーのしがらみがないISV(独立系ソフトウェア事業者)であり、さまざまな製品を活用できる。自由にチャレンジしている良さを発揮したい」と述べ、こうした企業に向けたソリューションを提供するとした。

 パターンとしては3つを想定する。1つ目は、日本のITサービスを在米日系企業へ提供する「IN-OUT」。小清水社長によれば、「日本で提供しているOracle関連のサービスやERPなどは国を問わず、欧米でも通用するもの」だそうで、こうした国内のノウハウを生かしたサービスをラインアップする。2つ目は、米国のITサービスを在米日系企業へ提供する「OUT-OUT」である。

 最後の3つ目はこれらと逆に、米国の最新サービスを日本の顧客に提供する「OUT-IN」で、この中には、日本から米国への進出を目指す企業、公共団体の現地調査、セットアップ支援も含まれるとのこと。

 提供を予定している具体的なサービス例として紹介されたのは、MicrosoftのOffice 365をベースに、グローバル企業の業務効率向上を目指すクラウドソリューション「Project and Service Management システム On-Office 365」。現在すでに、情報システム部門がない在米日系企業に対して、Office 365の導入支援と、SharePointをベースとした業務システムの開発提案をしているとのことで、この案件をベースとして、ほかの日系企業に対しても、2014年3月をめどにサービスを展開するとしている。

 なお、STS Innovationの代表は小清水社長が兼任し、CEOには岸田陽世志氏が就任している。資本金は30万ドル。

3つのパターンで事業を展開
Project and Service Management システム On-Office 365を提供する予定

石井 一志