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日本IBM、System zの機密情報漏えい対策を強化するソフト

 日本アイ・ビー・エム株式会社(日本IBM)は5日、メインフレーム「IBM System zシリーズ」向けに特化したセキュリティソフトの新版「IBM Security zSecure Suite V2.1」を発表した。価格は218万430円から。

 「IBM Security zSecure Suite」は、メインフレームを基盤とする企業の基幹システム向けに特化したセキュリティソフト。IBM独自のリソースアクセス管理機能(RACF:Resource Access Control Facility)を基盤に、ユーザーの識別と認証、リソースアクセス制御、監査の強化といった機能を実装している。また、きめ細かなセキュリティポリシーの設定と適用、システム内のリアルタイムでのモニタリングと潜在的な脅威の検出、レポート作成の自動化などの機能を包括的に提供するとのこと。

 新版では、モバイルやクラウドなどの普及により多様化・複雑化する企業システムや、高度化するセキュリティの脅威へ対応するため、機密情報漏えいの可能性や痕跡をいち早く発見し、迅速な対応につなげるための機能を搭載している。

 まず、RACFでアクセス権限を管理するためのデータベース機能が強化された。複数のデータベースを比較し、適切でないユーザーIDからのアクセスを特定したり、長期間使用されていないユーザーIDに対する権限を一括で削除したりすることができる。

 また、データベースの複製(レプリカ)作成機能を実装し、レプリカを使ったオフラインでのさまざまなシミュレーションに対応した。これにより、RACFを用いた認証を実装するシステムのテストや、実際のデータを使った管理者の研修などが可能になるという。

 さらに、日本IBMのセキュリティーインテリジェンスソリューション「IBM Security QRadar SIEM」と連携。IBM Security zSecure Suiteで収集したセキュリティに関する情報をIBM Security QRadar SIEMのダッシュボードに組み込み、より多角的なセキュリティ状況の分析と脅威の可視化を実現する。

 このほか、機密情報を扱うシステム向けの監査機能も拡張され、多角的な情報の分析をもとにしたセキュリティコンプライアンスレポートの作成、ならびに分析結果をもとに機密情報の漏えいの自動検出を行う監査機能を提供するとのこと。

石井 一志