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日立ソリューションズ、O2Oを支援する「ファンビジネス向けトータルCRMソリューション」
(2013/8/30 06:00)
株式会社日立ソリューションズは8月29日、ファンや会員向けビジネスのマーケティング活動を支援するクラウドサービス「ファンビジネス向けトータルCRMソリューション」を9月5日から提供すると発表した。初期費用は個別見積もり、サービス利用料は会員データ保管件数に応じた従量課金制と月額料金固定制から選択可能。1万人~20万人くらいの会員数を擁する企業を顧客層に想定しており、2017年度までに総会員数1000万人を目指す。
「ファンビジネス向けトータルCRMソリューション」は、日立ソリューションズの「ファン活性化サービス」とぴあ株式会社の「NETチケット販売サービス」を合わせて提供するもの。ヤクルトスワローズで先行して運用を開始、ノウハウを蓄積するとともに機能を拡張し、今回の正式サービス提供となった。
「ファンビジネス向けトータルCRMソリューション」では、システム基盤、会員やプロモーションの管理ツール、会員向けマイページ、ポイントサービス、QRコード会員証などの機能をワンストップでクラウドサービスとして提供。企業は初期導入費用を抑え、運用管理の手間とコストが低減できるとしている。
すべてのデータを一括管理することで、プロモーションの効果測定、会員の属性や購買履歴、行動履歴の分析が可能で、顧客企業は会員個人の嗜好に合わせたプロモーションが実施できる。
ポイントシステムではサイトでの閲覧やミニゲームやクイズ、リアルの購買行動や来訪など、オンライン・オフライン共通のポイントシステムで消費者と企業を結びつけ、同時に顧客分析によって特別なポイント付与により再訪を促すなど、さまざまな施策を、効果を測定しながら行うことができる。
日立ソリューションズ 常務執行役員 産業・流通システム事業部 事業部長 西條 洋氏は、「2000年ごろにクリック&モルタルという言葉が流行り、家庭のパソコンとリアルの店舗を結びつけていこうという取り組みがだんだん広がってきた。当時は家庭のパソコンだったが、いまはスマートフォンなどあらゆるメディアがあり、消費者と実際の販売をいろいろな形で結びつけていくことをオムニチャネルと呼んでいる。オンラインとオフラインを消費者が行ったり来たりしながら商品を選択するという消費者行動が顕著になっている」として、消費者行動の変化を説明。
西條氏は、日本の消費者支出は120兆円くらいと言われているが、2012年にはO2O市場はそのうち30兆円くらいで全体の4分の1だが、5年後の2017年には50兆円まで増加するという市場予測を上げ、O2O市場が高い成長率の見込める市場であることを説明した。
しかし、こうした傾向には販売側にとって危険な側面もあるとして、家電量販店がネット通販のショウルーム化してしまっているなど、販売側の思惑と消費者の実際の行動がうまく結びついていないと現状の問題点を指摘。オムニチャネルは非常に危険なビジネスの仕方でもあるとした。
こうした背景から、オムニチャネル化した消費者の行動に沿って、販売会社は顧客を自社のファンにして「わたしはここで買うんだ」という形にしていかないとビジネスは大きくなっていかないとして、日立ソリューションズはこの点に着目、O2Oマーケティングを支援するサービスを提供するに至ったと述べた。
西條氏は、「ファンビジネスというのは、ファンを作ってビジネスを大きくしていくCRM」だと述べ、販売目標としては、2017年度までに総会員数1000万人を目指すとした。