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九州大学、演算サーバーシステムにGPUを増設~812テラフロップスの理論ピーク性能を達成

 九州大学情報基盤研究開発センターと富士通株式会社は22日、同センターが所有する演算サーバーシステムに、256個のNVIDI製GPUコンピューティングカードを増設したと発表した。このサーバーシステムは、富士通のx86サーバー「PRIMERGY CX400」をベースに構成されているもので、理論ピーク性能が510テラフロップス(TFLOPS)から812テラフロップスへと増強され、さまざまな科学技術分野における研究を高速化可能になったという。

 九州大学情報基盤研究開発センターは、旧大型計算機センターの時代から40年以上にわたり、国内の大学などの研究者に向けて計算サービスを提供してきた、全国共同利用型の研究施設。同センターでは、2012年7月にスーパーコンピュータと演算サーバーを更新して演算能力を増強していたが、計算機利用の需要が伸びており、いずれ需給が逼迫(ひっぱく)すると予想されていたという。

 しかし、施設の電力容量および設置面積の制限から、計算機の規模をこれ以上大きくすることは困難だったため、計算機内に電力効率の良い演算加速器を増設する手法がもっとも有効と判断。機種選定の結果、2012年12月にNVIDIAから発表されたTesla K20X(16基)およびTesla K20(240基)を採用し、2013年4月より、これらを用いた利用者への計算サービスを開始した。

 なお、スーパーコンピュータの性能を順位付けするTop500リストでは、ベンチマークプログラムのLinpackにおいて、621テラフロップスの実効性能を76.48%の実行効率で達成し、43位にランキングされている。前回、2012年11月の成績は460テラフロップスだったため、実効性能においても大幅な性能向上が見られているとのこと。

PRIMERGY CX400
NVIDIA Tesla K20X

石井 一志