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KVH、100Gイーサネット専用線とシスコ製ルータのレンタルをセットにしたパッケージ

 KVH株式会社は7日、100Gigabit Ethernet(GbE)専用線サービス「KVH 100Gイーサネット専用線サービス」において、シスコシステムズ株式会社(以下、シスコ)の100Gbps対応ルータ「Cisco ASR9000シリーズ」とバンドルした「100Gネットワークアップグレードパッケージ」を提供開始すると発表した。

 インターネットの通信トラフィックが増加する中で、10GbpsのEthernet回線では対応しきれないケースが出始めている。こうした場合、複数の10Gbps回線を束ね、論理的に1本の回線として使用するリンクアグリケーションや、最短のデータ転送経路を自動で選択・分散して通信を行うレイヤ2マルチパスなどの技術が利用されているが、帯域を使い切れなかったり、管理が煩雑化してしまったり、といった問題点が指摘されていた。

 そこでKVHでは、100GbEを用いたポイント・トゥ・ポイントの専用線サービスである「KVH 100Gイーサネット専用線サービス」を3月に発表し、提供開始してきた。しかしその中で、「利用しやすい価格という声をいただく一方で、『(100GbEを収容する)ルータのコストが大きいために今はできない』『CAPEXでルータを導入するのは難しいので、OPEXにできないか』といった要望がある」(KVH システム&テクノロジー本部 執行役員の濱田義之氏)のだという。

KVH システム&テクノロジー本部 執行役員の濱田義之氏
提供中のKVH 100Gイーサネット専用線サービス

 これに応えるために、今回提供を開始するのが「100Gネットワークアップグレードパッケージ」。回線を終端する2台のシスコ製ルータ「ASR9006」(標準構成)のレンタルと、100GbE回線をパッケージにして、月額課金形態で提供する。標準構成のASR9006には、100GBASE-SRアップリンクが1ポート搭載されるほか、10GBASE-SRインターフェイスが10ポート搭載されているという。

 契約期間は2年、3年、4年のいずれかを選択可能。東京23区内間の価格は、初期費用が55万円(税別)、月額費用が775万円(税別)となるが、2014年3月末までに発注した場合は、初期費用が無料、月額費用が500万円(税別)のキャンペーン価格が適用される。

100Gネットワークアップグレードパッケージ
100GbEインターフェイスを持つルータを購入するとなると、多額の初期投資が必要になるだけでなく、月々の保守費用等も必要。今回のパッケージを利用すると初期費用が不要な上、月々のコストメリットもあるという(キャンペーン価格の場合)

 KVHでは、大きな通信帯域を必要とするIX(Internet eXchange)やISP間の相互接続、あるいはクラウド事業者やSaaSプロバイダ、金融機関などが持つ大規模データセンター間の相互接続などを対象として販売を進める考えだ。

 なお、今回のパッケージでASR9006を選択した理由について、濱田氏は「複数ベンダーの機器を検討したが、さまざまなテーマで汎用的に使える機能面を評価したほか、既存のお客さまが機器をアップグレードする際に、どの製品であれば障害なく移行できるか、といった点を考慮して選択した」と述べている。

石井 一志