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富士通、UNIXサーバー「SPARC M10」で社内データベース基盤を統合~Oracle Exadataも採用

 富士通株式会社は11日、UNIXサーバー「SPARC M10」とOracle Database 11gを活用し、社内のOracle Database基盤を統合すると発表した。これにより、システム全体の性能向上を図るほか、データベースサーバーの運用レベルの統一、可用性の向上、トータルコストの削減を目指すという。なお、稼働は9月下旬より順次開始される予定。

 富士通ではこれまで、生産管理・購買・物流・総務など、さまざまな部門ごとにデータベースサーバーを導入してきた結果、複数バージョンのデータベースが混在し、サーバーも乱立してしまっていた。この結果、バックアップや災害対策にかかる費用が高額になるだけでなく、運用管理のサービスレベルがまちまちになるといった課題を抱えているという。

 当社は、東日本大震災を契機としてこれらの課題に対応するため、データベース基盤統合に向けた検討を進めておりましたが、今般、全社で利用可能なデータベースサービス基盤の構築を開始しました。

 そこで今回、Oracle Databaseを活用していた基盤はOracle Database 11gに統一。また基盤プラットフォームは、社内のデータベース利用状況にあわせて、UNIXサーバー基盤とPCサーバー基盤に分割して統合する。

 このうちUNIXサーバー基盤には、自社開発の最新CPU「SPARC64 X」を搭載したUNIXサーバーのSPARC M10を採用した。SPARC64 Xは、10進演算、暗号処理、コピーなどのソフト処理の一部をプロセッサで実行するソフトウェア・オン・チップを採用し、最適化されたソフトウェアとの組み合わせでさらなる性能向上を実現できる。

 SPARC M10は、このプロセッサを最大64基、1024コア実装できるので、大規模なサーバー集約にも余裕を持って対応可能で、2コア単位でのCPU性能増強をサポートするため、サーバー移行のタイミングにあわせて、段階的にサーバーリソースを拡張できる点もメリットとしている。

 一方でPCサーバー基盤には、Oracleのデータベースマシン「Oracle Exadata」を採用した。これらの基盤は、本番環境とDR兼開発環境を別々に遠隔地へ設置した上で、データの同期をOracle Data Guardで実施することにより、万一の災害時への備えと運用レベルの統一を図る。

 なお富士通では、この自社事例をリファレンスモデルとして大規模データベース統合に関するノウハウを自社エンジニアに展開することにより、技術力のさらなる向上を図り、同様の悩みを持つ顧客企業に対して、最適な提案を行えるようにしていくとのことだ。

石井 一志