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日本アバイア、Radvision買収後のビデオ事業の取り組みについて説明
(2013/6/25 06:00)
日本アバイア株式会社は21日、米Avaya本社が昨年6月にビデオ会議ソリューションのリーディングプロバイダーであるRadvisionを買収してから1年が経過したことを受け、ビデオ事業に関する取り組みについて記者説明会を開催した。
説明会では、まず、Radvision, an Avaya Company ジェネラルマネージャのエイタン・リブネ氏が、米国からビデオ会議を通じて、Radvision買収後のビデオ事業の概況について説明。「昨年6月にRadvisionを買収したことで、同社のもつ包括的なビデオ会議ソリューションのポートフォリオを獲得することができた。これは、エンドツーエンドをカバーする業界最高レベルのビデオ会議ソリューションであり、モバイルも含めた様々なエンドポイントに対応しているのが特徴だ。また、製品の買収だけでなく、Radvision社のイノベーションや業界における20年以上の実績、営業スタッフとそのスキル、さらにはビデオ事業の文化まで獲得できたことも、大きなメリットとなっている」と述べている。
「通常、製品を買収した後の1年間は、新製品のリリースを控え、製品統合のために多くのコストが発生するため、売り上げも減少してしまうケースがほとんどだ。しかし、当社は、Radvision買収後の1年間で、最も多くのビデオ会議ソリューションの新製品をリリースした。その中には、管理製品やAndroid対応製品、次世代ハイブリッドMCU製品などが含まれている」と、買収後1年で、ビデオ会議ソリューションのラインアップが大幅に拡充したという。
また、同社では、製品ラインアップの拡充に合わせて、営業部隊の強化も実施。「アバイアのセールスおよびプリセールスのスタッフが、Radvisionのビデオ会議ソリューションを積極的に拡販展開できるよう教育や研修などを行い、知識レベルとセールスのスキルアップを図った。これにより、現在では、顧客に対して、ビデオ会議ソリューションのデモを行い、見積書を提出し、プレゼンテーションを行うことができるようになった」としている。「さらに、アバイアコネクトのパートナープログラムを活用し、販売チャネルの拡充にも取り組んでいる。とくに、ビデオ会議ソリューションの販売に適した企業を選定し、取り扱いパートナーを増やしてきた」と、この1年間でビデオ会議ソリューションの販売チャネルも整備したという。
Radvisionのビデオ会議ソリューションとアバイアのコミュニケーションおよびコラボレーション製品群との統合化も進めており、「今後、アバイアのすべての製品がRadvisionのビデオ会議ソリューションと連携し、ビデオ会議のテクノロジーが取り込まれていくことになる。これにより、ビジネスチャンスが広がり、新たな市場の開拓にも期待できる」としている。
「これらの取り組みによって、当社は、Radvision買収後の1年間も大きく売上高を伸ばすことができ、また、Radvisionの市場シェアもさらに拡大することができた。とくに、アジア太平洋地域での売り上げ伸長が顕著であり、ビデオ会議ソリューションにおける最大のマーケットになっている」と、アジア太平洋地域は同社のビデオ事業にとって最重点市場であると強調した。
続いて、Radvision, an Avaya Company CTOのヤイール・ヴィエナー氏が、ビデオ会議ソリューションを取り巻くテクノロジートレンドを紹介。「現在のビデオネットワークのテクノロジーは、SVC(Scalable Video Coding)が主流となっている。今後は、新たなテクノロジーとして、HEVC(High Efficiency Video Coding)/H.265とWebRTC(Web Real-Time Communication)が普及拡大していくと見ている。とくに、HEVCは、コーディングの効率化、解像度の向上、マルチコアCPUにおける並列処理の効率化という3つの大きなメリットをもたらし、将来的には業界標準のテクノロジーになるだろう」との考えを示した。
「一方、WebRTCは、ブラウザに対して、プラグインなしでネイティブにビデオコミュニケーションができる機能を提供する。これにより、リアルタイムコミュニケーションを行うアプリケーションを開発する際に、20行ほどのコードを書くだけで開発できるようになる。まずは、コンタクトセンターなどで、このテクノロジーが活用され、2016年にはWebRTC対応のデバイス数は30億にも達すると予測されている」と説明した。