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日本HP、法人向けWindows 8タブレット「ElitePad 900」のLTE対応版

プリンティング・パーソナルシステムズ事業統括 クライアントソリューション本部長の九嶋俊一氏

 日本ヒューレット・パッカード株式会社(日本HP)は27日、安定した接続を実現する800MHz帯対応の通信モジュールを搭載した法人向けWindows 8タブレット「HP ElitePad 900」LTEデータ通信モジュール搭載モデル(以下、HP ElitePad 900 LTE)2機種4モデルを発表した。価格は9万1350円からで、6月中旬より順次販売する。

 HP ElitePad 900 LTEは、LTE対応の法人向けWindows 8タブレット。KDDIの「au 4G LTE」に対応した「HP ElitePad 900 for au」と、NTTドコモの「Xi」に対応した「HP ElitePad 900 for DOCOMO」。

 au版/NTTドコモ版ともにWindows 8(32ビット)モデル/Windows 8 Pro(32ビット)モデルを用意。価格はWindows 8モデルが9万1350円、Windows 8 Proモデルが11万1300円。販売開始日はau版が6月中旬、NTTドコモ版6月下旬以降。

 日本HPはすでにHP ElitePad 900 WiFiモデルを2013年2月より販売している。それに対する「いつでもどこからでも安定して利用したい」というニーズに応える形で、新たにLTEモデルを発表。薄さ9.2mmの洗練されたデザインを維持するため、「LTEのデータ通信モジュールはHP ElitePad 900専用に開発した」(プリンティング・パーソナルシステムズ事業統括 クライアントソリューション本部長の九嶋俊一氏)。

HP ElitePad 900 LTE

 主なスペックとしては、10.1型WXGA(1280×800)ディスプレイ(デジタイザー内蔵&マルチタッチ、最大1677万色、Corning Gorilla Glass 2、400nit高輝度パネル)を搭載。CPUはAtom Z2760、メモリは2GB LPDDR2 533MHz、ストレージはWindows 8モデルが32GB SSD、Windows 8 Proモデルが64GB SSD。そのほか、Webカメラ、IEEE 802.11a/b/g/n、Bluetooth 4.0、NFCリーダー、Micro SDカードスロット、Micro SIMカードスロット、マイク入力/ヘッドフォン出力コンボポート、システムコネクタ、電源スイッチ、音量スイッチ、ホームボタン、画面固定ボタンを備える。バッテリ駆動時間はJEITA測定法時で約12.7時間、動画再生時で約7.9時間。

  また、常時接続が可能になることで浮き彫りになるセキュリティについても、新たなセキュリティ機能を実装することで解決している。追加したのは、ネットワーク接続制限、IT資産管理、トラッキング・回収、物理認証など。

セキュリティ機能一覧

 MDM機能としてWiFiモデルに標準搭載されていた、遠隔ロック&消去が可能な「Find My PC」に加え、SaaS型の「Computraceサービス」を追加。同サービスでは、遠隔ロック&消去に加え、デバイス内のハードウェア資産やソフトウェア資産の構成・変更を管理するIT資産管理が可能に。紛失した端末を発見するための位置情報トラッキングにも対応し、HPが紛失した端末を回収するサービスも提供する。また、ユーザーが意図的にモジュールを端末から削除したとしても、BIOSから自動で復元される仕組みも備えている。

Computraceサービスの概要
Find My PCとComputraceサービスの機能一覧。Computraceサービスには通常版、上位版が用意されており、回収サービスは上位版のみの対応となる

 NFCによる物理認証にも対応。社員証などを使ってWindowsログオン、シングルサインオンなどを実現できる。「例えば、Lyncでコンタクトがあった際に、いちいちログオンパスワードを入力していたのでは応答に間に合わないかもしれない。ロック状態からすぐ復帰できるようにすることで、軽快なコミュニケーションを実現している」(九嶋氏)。NFCによる物理認証には、ジャパンシステムの「ARCACLAVIS」、ソリトンシステムズの「SmartOn」が動作検証済みとのこと。

 取締役 副社長執行役員 プリンティング・パーソナルシステムズ事業統括の岡隆史氏は「今年のタブレット市場は600万台とされ、そのうち20%ほどがビジネス利用と予想される。当社が行った調査では92%の人がタブレットをビジネス活用したいと回答。その際に課題となるバッテリーの持ちや耐久性、PCと同等の使い勝手などを昨年発表したWiFiモデルで解消してきた。しかし、セキュリティやネットワークのつながりやすさに不満を感じる人も多く、そのせいで使いたくても使えないというケースがあった。それらを今回のLTEモデルで解消できると考えている」と、新製品の価値を語った。

(川島 弘之)