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トレンドマイクロ、仮想環境やクラウドへの対応を強化した「Deep Security 9.0」

 トレンドマイクロ株式会社は7日、サーバー向け統合セキュリティソリューションの新版「Trend Micro Deep Security 9.0」を発表した。6月10日より受注開始する。

 Trend Micro Deep Securityは、サーバーのセキュリティに求められる、脆弱性対策、ファイアウォール、変更監視、セキュリティログ監視、ウイルス対策といった機能を1つに統合したソリューション。サーバーにエージェントソフトをインストールするエージェント型に加えて、ヴイエムウェアのAPI「VMware vShield Endpoint」と連携し、エージェントレスで仮想マシンを保護する仮想アプライアンス型「Trend Micro Deep Security Virtual Appliance」を提供している。

 新版ではこのうち、Trend Micro Deep Security Virtual Applianceにおいて、より仮想環境の運用実情に即した機能強化を実施している。具体的には、まず、複数の仮想マシンの脆弱性を自動で検知し、トレンドマイクロが提供する仮想パッチを適用する機能を搭載したことで、仮想マシンの運用にかかわる管理工数を低減できるという。仮想環境としては、VMware vSphere 5.1に対応する。

 加えてVMware vSphere 5.1との連携では、ハイパーバイザーに対してルートキットなどが混入したり、改ざん好意が行われたりした場合に、管理者に対して通知する機能も追加された。

 またウイルス検索機能においても、複数の仮想マシンの同時検索機能や、各仮想マシンのハッシュ値を仮想アプライアンスがキャッシュとして保持し、変更があったファイルのみを検索する機能が追加された。VDIのようなクローン環境において、ウイルス検索時間の短縮と、システムの負荷軽減を実現している。

 さらに、管理ツール「Deep Security Manager」の管理コンソールと、Amazon Web Services(AWS)のAWS Management Console、ヴイエムウェアのVMware vCloud Directorの連携に対応したことで、物理・仮想・クラウド環境においても、セキュリティ情報をシームレスに可視化し、セキュリティポリシーの一元的な適用と管理が可能になったとのこと。

 このほか、エージェント型では、サーバー負荷の増減などに応じて自動的に生成・削除される仮想マシンに対し、指定したセキュリティポリシーを自動適用できるようになった。生成された仮想マシンも、すぐに適切なセキュリティポリシーで保護可能になったことで、管理者の運用負荷を低減するとしている。

 なおトレンドマイクロでは、今後1年間で10億円の販売を目標としている。

(石井 一志)