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ジュニパー、高い柔軟性を持つシャーシ型コアスイッチ「EX9200」などを発表

 ジュニパーネットワークス株式会社(以下、ジュニパー)は25日、シャーシ型のコアスイッチ「EX9200」、仮想アプライアンス版の無線LANコントローラ「JunosV Wireless LAN Controller」、ネットワーク管理製品「Junos Space Network Director」を発表した。

 新製品のうち「EX9200」は、スイッチ製品群「EXシリーズ」の最上位に位置するシャーシ型の企業向けコアスイッチである。

 自社設計のASIC「Junos Oneカスタムシリコン」をベースに構成されており、MPLS over IPによる仮想化や、VXLANなどをネイティブサポートしているが、Junos Oneカスタムシリコンはプログラミング可能なパケット転送エンジンを搭載しているので、高い柔軟性を持つことが最大の特徴。Junos OSの更新プログラムとともにASICマイクロコードの変更内容を配信することで、「ハードウェアを変更することなしに、今後登場してくるネットワークプロトコルをサポート可能になっている」(アドバンスドテクノロジ本部 データセンタービジネス開発部の澤田大輔ディレクター)のだという。

 また、Junos JDKによるOSのカスタマイズをサポートするほか、システム自動管理ツールのPuppetにも対応。SDN技術のOpenFlowも利用できるとのこと。

高いプログラマブル性が特徴という
アドバンスドテクノロジ本部 データセンタービジネス開発部の澤田大輔ディレクター

 ラインアップは、ラインカードを最大3枚まで搭載できる6Uシャーシの「EX9204」、同6枚まで搭載できる8Uシャーシの「EX9208」、同12枚まで搭載できる16Uシャーシの「EX9214」が用意され、企業のキャンパス、データセンターのいずれにおいてもコアスイッチとして活用できる。

 なお、ラインカードはGigabit Ethernet(GbE)×40ポート、10GbE×32ポート、40GbE×4ポートなどが提供されており、EX9214の場合、最大で10GbE×320ポート、40GbE×48ポートを搭載できる。また今後は、100GbEにも対応する予定。

 参考価格は428万4000円からで、すでに4月初旬より提供開始されている。

 2つ目の「JunosV Wireless LAN Controller」は、無線LANコントローラの仮想アプライアンス版。米Juniperでは、2010年11月のTrapeze Networks買収以来、無線LAN製品の拡充を図っており、この仮想アプライアンス版提供もその一環となる。製品は6月より提供開始される予定。なお、「EX9200シリーズ」への無線LANコントローラ機能搭載も、2014年第1四半期をめどに予定されているとのこと。

Junos Space Network Directorでは、ライフサイクル全般をカバー
Junos Space Network Directorの特徴

 3つ目の「Junos Space Network Director」は、無線LAN製品群「Juniper WLAN」やEXシリーズスイッチなどを統合管理できる、企業向けのネットワーク管理ツール。プランニングから設定・導入、運用時の可視化、トラブルシューティング、レポートまでの各フェーズをサポートしており、「複数の管理ツールを1つに統合できる点がメリット」(澤田ディレクター)としている。この製品も、提供は4月初旬よりすでに開始されている。

 なお、代表取締役社長のジェフリー・ブラウン氏からは、「Juniperでは、ルーティング、スイッチング、セキュリティというネットワークの基本に立ち返った3つにフォーカスしており、今年も、この3つのエリアで新製品を発表してきた。また日本では、『コア』『モビリティ』『データセンター』の3領域に注力していく」との方針が語られた。

 具体的な取り組みとしては、例えばデータセンター領域では、「GbEから10GbEへの移行支援をしている」とのこと。その移行にあたっては、単にインターフェイスを置き換えるのみならず、「レガシーの3層構造のネットワークでは、10GbEのスループットをフルに活用できない」ことを踏まえて、ネットワーク構造そのものの変革を推進。QFabricやuFabricなどの製品を活用することで、現状のデータセンターのネットワークを2層あるいは1層のネットワーク構造へ置き換えていくなどと説明している。

代表取締役社長のジェフリー・ブラウン氏
日本におけるフォーカス

(石井 一志)