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日本IBM、モバイル対応などを強化したeコマース基盤ソフト「WebSphere Commerce V7.0」新版

 日本アイ・ビー・エム株式会社(日本IBM)は9日、eコマースに必要な機能を包括的に提供するソフトウェア基盤の新版、「IBM WebSphere Commerce V7.0 Feature Pack 6.0」を発表した。

 「IBM WebSphere Commerce」は、eコマース環境の迅速な立ち上げを支援するミドルウェアプラットフォーム。カタログおよびコンテンツ管理、パーソナライゼーション、eマーケティング、ガイド販売、オーダー管理など、一連の機能を備えるほか、これらを活用してeコマースサイトを立ち上げるためのサンプルストアなど、さまざまな機能を提供している。

 また2010年に提供開始された「IBM WebSphere Commerce V7」では、ソーシャルメディアとの連携が強化され、サイト上でのウィッシュリストの共有や、ソーシャルネットワークへの商品情報の投稿機能、ソーシャルネットワークの投稿と連携したデジタルクーポンの発行機能といった、マーケティングやプロモーションの機能が実装されている。

 今回の新版では、ストアの迅速な稼働開始を支援するスターター・ストアにモバイル機能が組み込まれ、モバイルストアの迅速な立ち上げを支援可能にした。

 また、個々の顧客の行動特性に合わせた、より複雑なマーケティングとプロモーションの機能が強化され、あらかじめ作成したシナリオに沿ったキャンペーンの表示を、来訪者のデータに合わせて動的に行えるようにしている。このシナリオは、アイコンを操作してフローチャートを組む、直感的な作業のみで容易に作成・管理できる。

 さらに、複数チャネルの統合管理機能を強化し、ブランド、事業部、グループ内企業、国といった単位で異なるeコマースサイトの立ち上げと統合管理を行えるので、グローバル化するビジネスのスピードに合わせ、迅速な事業の展開、拡張をサポートするという。

 このほか、実店舗と複数のネットショップでの在庫から販売までの管理を可能にする、マルチチャネル機能を強化し、企業のO2O(オンライン・トゥ・オフライン)マーケティングを支援するとのこと。

 加えて今回は、さまざまな自社ソフトウェアとの連携も拡張されている。新たに、企業向けモバイルアプリの開発・実行環境を提供する「IBM Worklight」、およびサイト訪問者の経験を可視化して、サイトの問題や障害を発見する「IBM Tealeaf Customer Experience」との連携に対応。マルチデバイスで利用できる高度なサイトの作成や、訪問者にとってより利用しやすいeコマースサイトの構築を支援するとしている。

 ラインアップには、Express版、Enterprise版、Professional版を用意しており、ライセンス価格は、Express版の本番環境および開発環境のサンプル構成で、約1000万円から。また開発環境として、別途Developer版の購入が必要になる。

(石井 一志)