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ビッグデータやBYODに積極的なインテルIT部門の取り組み
(2013/3/21 14:16)
インテル株式会社は21日、IT部門の取り組みに関する記者説明会を開催した。
9万5200人のIntel全社員のうち、IT部門の社員は6500人。データセンター、クラウド、モバイルなどの分野で、ビジネスへの貢献、社員の働く環境への貢献など、さまざまなことに取り組んでいる。
2012年の活動成果として、情報システム部 IT@Intelプログラム Japan and North APAC地域担当の邱天意氏は「ビッグデータやクラウドによる生産性の向上」「ITのコンシューマ化による生産性の向上」「新製品やサービスの開発支援」「エンタープライズ・リスクの排除」などを挙げる。
ビッグデータやクラウドの活用で生産性向上
ビジネス・インテリジェンスによる生産性の向上については、「ビッグデータ予測エンジンの使用により、チップ設計の検証時間を25%短縮し、市場への製品投入を迅速化できた」(邱氏)という。
今後も売上予測アルゴリズムの導入による2000万ドルの販売機会創出、製造過程の予測分析による3000万ドルのコスト削減を目指す。「これらを実現するため、インテルIT部門としては初めてApache Hadoopプラットフォームを導入した」。
またクラウドを積極的に活用することで、「新しいWebアプリ展開の所要日数を70日から1日未満に抑えるなどして、2年間で1500万ドルのコスト削減に成功した」という。
BYODやソーシャルも積極的に活用
ITのコンシューマ化による生産性の向上では、社員へのUltrabook支給を加速。日本のセールスグループは100%の導入率となり、標準OSにはWindows 8を採用している。また、BYOD(私物端末の業務利用)も前年比38%増の2万3500台となり、社員間コラボレーションや各種申請・承認などに移動中の時間を活用することで、1日あたり57分の時短を実現。「2012年だけでも、BYODで約500万時間の生産性向上を果たした」という。
ソーシャルメディアの展開にも積極的だ。顧客向けにソーシャルメディアを活用、オンデマンド・セルフサービスなども活用し、約160万ドルのコスト削減に成功した。社内活用も促進し、数百のグループ、フォーラム、RSSフィードを活用するなど、現在6万人超が自由な情報のやり取りを行っているという。
新製品やサービスの開発支援
新製品やサービスの開発におけるIT部門の貢献としては、「企業向けUltrabookの開発を支援した。ユーザビリティと製品のフィードバックのほか、IT部門が設計の評価を行い、企業環境ニーズに満たす設計を提案。IAスマートフォンの開発支援なども行った。向上の可用性とビジネス継続性の向上にも貢献し、新たな高可用性データベース・アーキテクチャの導入を推進し、データ保護、破損防止、災害復旧のプロセスを強化。これまで1時間以上かかっていたサイト障害復旧を2分に短縮した。2013年には、さらに10個のデータベースに拡張する」。これらにより総額80万ドルを削減したという。
こうしたIT部門のサービス改革を推進した結果、IT予算を新たに4%捻出することができた。昨今、IT部門がより戦略的にビジネスに貢献するという機運が生まれている。その成功へのヒントがインテルIT部門にはあふれているようだ。