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データ通信サービス予算が増加する最大の理由は「モバイル対応」~IDC Japan調査

2013年度のデータ通信サービス予算が2012年度より増加する理由(出典:IDC Japan)

 IDC Japan株式会社は、国内企業の通信サービス利用に関する調査結果を発表した。それによると、2013年度にデータ通信予算が増加する最大の理由は、昨年同様「モバイル対応を進めるため」で、増加すると回答したユーザーのうち、約42%がこの理由を挙げた。続いて「クラウドやデータセンターの利用が増えるから」も約38%で、2013年度も昨年度に引き続きモバイル、クラウド、DCへの関心が高いこと読み取れるという。

 今回の調査からは、通信コストの合理化などを目的として、モバイルを中心にマルチネットワーク活用の検討が進んでいることがわかった。例えば、テザリングの活用が大企業の約1割で採用されているほか、データ通信利用容量制限付きのSIMなどについても、一部の企業で導入が進んでいる。

 また、「国内データセンター/クラウドに接続する海外拠点がある」という回答は、全体の約4割に到達。そうした接続拠点数の今後3年間の増減見込みを国内と海外で比較すると、「国内拠点数が増加見込み」という回答は3割程度なのに対し、「海外拠点数が増加見込み」という回答は約5割に達した。これについてIDC Japanでは、DC/クラウドの利用にあたっては、国内外間でのシームレスな運用に対するニーズが増加すると分析している。

 さらに、NTT Comの「Arcstar Universal One」やKDDIの「Wide Area Virtual Switch」のように、クラウド利用を前提とした、統合型WANサービスへの需要が高い傾向が見られたという。また、そうした統合型WANサービスの既存ユーザーの約4割が、今後も利用を拡大する意向を示しているとのこと。

(石井 一志)