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ミラクル・リナックス、Zabbixの性能改善に関する研究成果を公開~NoSQLの活用図る

 ミラクル・リナックス株式会社は14日、オープンソースの監視ソフト「Zabbix」に関する研究の成果を公開した。一定時間におけるZabbix監視データの書き込み処理数をMySQLとNoSQLで比べた場合、NoSQLが最大で3.4倍の性能を発揮したという。

 ミラクル・リナックスでは、オープンソースの統合監視ソフト「Zabbix」の機能強化の一部として、監視データの保存先をNoSQLデータベースにすることによる性能改善の研究を行ってきた。今回は、その成果、および新たに開発・機能強化されたソフトの情報を公開したもの。

 現在、Zabbixにおける監視データの保存先としては、RDBMSのMySQLが標準的に使用されているが、ミラクル・リナックスではNoSQLを保存先として使用することを検討し、これを実現するためのミドルウェア「History Gluon」を独自開発したという。

 History Gluonの特徴は、監視ソフトの履歴データに特化した高い操作性で、この研究においてミラクル・リナックスはZabbix本体のソースコードを一部変更し、「History Gluon」を経由して各種NoSQLに書き込むための動作検証を行った。

 この検証では、従来型のMySQLと主要なNoSQLのひとつであるCassandraを使用し、5秒ごとの監視間隔で、30分間の監視データ書き込み処理数を比較した。

 MySQLでは、監視項目数が8000点程度までは正常に書き込みが行われ、30分間で最大約300万件の監視データが書き込まれましたものの、さらに監視項目数を増やすと書き込み処理数がピーク時より低下し、150万件程度になってしまったという。

 一方のCassandraでは、監視項目数が2万2000点程度までは正常に書き込まれ、30分間で最大約800万件の監視データを書き込むことができた。さらに監視項目数が増えると、書き込み処理数はピーク時のまま伸びなくなったが、このボトルネックはデータベース以外の原因も考えられるため、ミラクル・リナックスでは今後もボトルネック解消のための研究を進めるとのこと。

 なおHistory Gluonおよび機能改善されたZabbixのソース情報はGithub、ホワイトペーパー(英語)はミラクル・リナックスのWebサイトで、同日より公開されている。

(石井 一志)