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ミラクル・リナックス、Zabbix監視データの読み込み性能を検証~MySQLとNoSQLを比較

 ミラクル・リナックス株式会社は26日、NoSQLに保存されたZabbix監視データの読み込み性能を検証し、その成果を発表した。それによると、小規模の場合はMySQLが、大規模の場合にはCassandraが、それぞれ良好なパフォーマンスを発揮したという。また、大規模システムの監視などで大量に書き込みを行っている場合は、いずれのデータベースでも読み込み性能が低下したが、Cassandraではその程度が少なかったとのこと。

 同社では2月に、Zabbixの監視データ保存先をNoSQLにすることによる性能改善の研究を行っていたが、NoSQLを用いた監視データの書き込みスループットが、従来型のMySQLと比較した場合、最大で3.4倍の性能になった。

 今回ミラクル・リナックスが行ったベンチマークでは、保存されたZabbix監視データの読み込み性能をMySQLとNoSQLデータベースのCassandraで比較した。具体的には、監視対象が90項目、5610項目、2万7690項目における、120秒での監視データの読み込みスループットを比較した。監視間隔は5秒に設定されており、監視間隔が一般的な5分の場合、これらの項目数は、それぞれ、ほぼ0、約3600台、約1万8000台の監視対象装置数に相当する。

 この検証の結果、監視項目数が90項目と小規模の場合はMySQLのスループットが速く、5610項目と2万7690項目の場合はほぼ同等だったとのこと。また、各データベースから監視データを直接取得した場合は、監視項目数が90項目ではMySQLが、5610項目と2万7690項目ではCassandraのスループットが高くなっており、2万7690項目の場合、スループットはMySQLの約2.2倍になった。

 さらに監視項目数を90から2万7690に増加させた場合、読み出しスループットの低下は、MySQLを用いた場合が約80%なのに対し、Cassandraを用いた場合は約30%にとどまったとした。

 ミラクル・リナックスでは、書き込み、読み込みの両検証結果から、大規模システムにおけるZabbixへのNoSQL活用の可能性がさらに広がると考えており、今後も実用化を見据えた技術研究を継続するとしている。

石井 一志