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東芝ソリューション、東芝グループのデータセンター移行にEMCジャパンの「RecoverPoint」を採用

今回の経験などを生かした「データ移行サービス」も提供へ

 東芝ソリューション株式会社は5日、EMCジャパンのリモートレプリケーションソフト「EMC RecoverPoint」を利用し、東芝グループ企業に提供しているプライベートクラウド上の基幹システムおよび大容量データのデータセンター間移行を、短期間で完了したと発表した。また東芝ソリューションでは、こうしたプライベートクラウドの移設ノウハウをもとに、大容量データ移行を短期間で可能とする「データ移行サービス」を販売する。

 東芝グループが利用している一部のデータセンターでは、自家発電機能を保有していないなど対策が万全ではなかったため、データセンターそのものを安全な施設に移すことを計画。東芝インフォメーションシステムズの協力を受け、東芝ソリューションが新・旧データセンター間での大容量データの移行を実施した。

 今回の移行対象となったのは、東京地区が18サーバー/85システム/25TB、大阪地区が15サーバー/80システム/11TBで、サーバーでは2種類・3バージョンのOS、ストレージは大規模ストレージ2機種を利用している。

 移行にあたっては、システム負荷のもっとも高い時期である月末・月初がデータ移行の作業期間に含まれたため、本番運用に影響を与えないデータ移行スケジュールの策定と、移行方式の選定が必須条件だったとのこと。こうした難易度の高い移行条件をクリアするために、EMCジャパンの「EMC RecoverPoint」を採用し、東芝ソリューションの持つノウハウに基づき、無事に移行が終了したという。

 具体的には、複数の大規模サーバーの物理移設を伴う手順を検討するとともに、移設当日のタイムスケジュール策定を実施。また、綿密な移行設計によるオンラインデータ移行を事前に実施することで、移行当日のダウンタイムを最小限にとどめ、サーバー移設時間のみのダウンタイム約15時間で実現できたとのこと。加えて、「EMC RecoverPoint」の重複排除機能を活用することでも、サーバーのデータ移行時間を短縮できたとしている。

 なお東芝ソリューションでは、今回の実績をもとに、クラウドインテグレーションサービスの一環として「データ移行サービス」を商品化し、今後の需要増が予想されている、データセンター間の移設(引っ越し)やディザスタリカバリ(災害対策:DR)環境の構築など、各種サービスを提供する。

(石井 一志)