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8四半期連続2ケタ成長のSAPジャパン、「2013年度はクラウドを加速」と安斎社長

代表取締役社長の安斎富太郎氏

 SAPジャパン株式会社は30日、ビジネス戦略説明会を開催。代表取締役社長の安斎富太郎氏が2012年のハイライトや2013年の目標などを語った。

 独SAPの2012年度の業績は、通年ソフト関連売上は17%増の132億ユーロ以上、通年総売上は14%増の163億ユーロ以上で、12四半期連続2ケタ成長となった。特にインメモリデータベース「SAP HANA」の売上が3.9億ユーロで2.5倍、モバイル関連売上が2.2億ユーロで1.7倍と好調。2015年度までには通年総売上で200億ユーロ、クラウド関連売上で20億ユーロを目指しているという。

 SAPジャパンでも、ソフト関連売上が21%増の6億9900万ユーロ、通年総売上が21%増の7億8900万ユーロで、8四半期連続2ケタ成長となった。特にモバイル関連が326%と急増した。「2011年はHANA、2012年はモバイルに火がついた。2013年はクラウドを加速させたい」と安斎社長。

【訂正】初出時、国内のソフト関連売上高を6億990万ユーロとしておりましたが、発表内容に誤りがありましたので、それに伴い記事も訂正致しました。正しくは6億9900万ユーロとなります。

SAPジャパンの2012年度業績とハイライト

 SAP HANAについては買収したSybaseとの統合も進んだ。2012年にデータベース事業への本格参入を宣言した同社だが、Sybaseの統合シナジーも発揮され、データベース事業は66%増の成長を遂げた。

 安斎社長も「統合後は一時的に売上が落ちたり、シナジーを発揮しきれないことも多いのだが、そういうこともなくSybaseだけで年間80%以上の伸びを達成できた」と誇らしげだ。SAP HANAについても国内50社以上の案件を獲得し、「これまでは珍しい技術ということで試してもらうケースが多かったが、2012年は実用段階といえる事例が増えた」と手応えをにじませる。

 新規事業が成長を遂げ、ERP/Non-ERP事業の割合としても、2012年の60:40から2012年には41:59と逆転している。

 パートナービジネスも42%増と好調。SAP認定コンサルタント数を見ても2010年の6659人、2011年の7706人、2012年の9239人と順調に数を増やしている。そのうちのNon-ERPコンサルタント率も2012年には52%と“ERPだけではないSAPジャパン”がパートナーにも浸透し始めている。ただ「それでもまだパートナービジネスの6割がERPなのは事実。実際の売り上げでの面でもいかにNon-ERPを増やしていくかが課題」(安斎社長)とした。

 2013年度は「SAP Business Suite powered by SAP HANA」を投入し、いよいよSAPアプリケーションの基盤としてSAP HANAを使えるようにするほか、中小企業をメインターゲットとしたSaaSソリューション「SAP Business ByDesign」の提供も開始する。

 2013年度フォーカスポイントとしては「顧客のビジネスイノベーションへの貢献」「最終顧客への価値の提供」「SAP HANA、モバイル、クラウドによるイノベーション」「Innovationビジネスの拡大」「Globalizationの強化」「Co-Innovationの拡大」を図る。

 特にパートナー施策の強化を打ち出し、RDS(Rapid Deployment Solutions)の増加・拡販やOEMの拡大、各社個別ニーズへの対応、SAPが進める「アプリケーション」「アナリティクス」「データベース」「モバイル」「クラウド」の5つの分野における対象別トレーニングの実施などを進めるとした。

パートナーとの協業施策の強化

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