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東芝Sol、製造業向け市場品質管理ソリューション「PQTMeister」

 東芝ソリューション株式会社(以下、東芝Sol)は20日、製造業向け市場品質管理ソリューション「PQTMeister」を発売した。

 同ソリューションは「PQTMeister 市場品質」と「PQTMeister トレーサビリティ」の2本で構成され、単独または組み合わせて導入できる。これにより、「顧客視点での品質向上」とリコールなどへの「素早い市場処置の対応」を支援する。

 現在、製造業を取り巻く環境を「市場品質管理」という側面で見ると、「消費者の安心・安全に関する意識の向上」「安全に関する法令などの強化傾向」「消費者ニーズの多様化に伴う製品バリエーションの増加による品質管理の複雑化」など、さまざまな課題が増大しつつある。また、生産拠点の海外移転、販路拡大による製品のグローバル展開や部品共通化に伴う不具合対象範囲の増大により、品質不良1件あたりの影響が企業を大きく揺るがしかねない問題に発展するケースも生じているという。

 PQTMeister 市場品質では、出荷された自社製品で発生した不具合を早期にキャッチし、原因調査の依頼から回答までを統合的に管理することで「調査状況の見える化」や「過去における同様の不具合の検索」といった不具合対応に必要な機能を提供する。

 不具合原因は発生した不具合現象からは容易に判断できず、複数部門が並行して調査し、また調査回答に応じて別の調査依頼を行うため、非定型で複雑な依頼フローになる特性がある。この特性に対して、独自の動的なワークフローエンジンを実装することで、従来のワークフロー製品では実装困難だった複雑な依頼フローへの対応を実現したという。

 発生した不具合を早期に管理下に置き、調査依頼の進ちょく管理機能、ワークフロー管理機能、ならびに同種不具合検索機能などを利用することで、「原因の早期究明」「対処の早期化」を支援するという。

 一方のPQTMeister トレーサビリティでは、製品や部品をシリアルやロットという細かい単位で識別し、調達、製造、出荷など製造業における各工程での履歴情報を統合的に管理し、トレーサビリティに必要な機能を提供する。

 製品に不具合が生じた場合、製造番号や部品番号といった識別子を基に「いつどこから仕入れ、いつどこで製造し、いつどこに販売したのか」という情報の統合管理を実現。不具合があった製品から各部材の組付情報をたどっての原因追及が可能となるため、調査時間が短縮されるという。

 また、逆に不具合原因となった部材が使用された自社の最終製品がどの程度の範囲で市場に出回っているかを把握することも可能で、対策範囲の根拠が明確になるという。

 東芝Solでは、今後3年間で15億円の売り上げを目指す。

(川島 弘之)