ニュース

日立がアカマイと協業、クラウド向けのネットワークソリューションを提供へ

 株式会社日立製作所(以下、日立)は11日、アカマイ・テクノロジーズ合同会社(以下、アカマイ)と「ネットアライアンス・パートナー契約」を締結したと発表した。これに伴い日立では、クラウドソリューション「Harmonious Cloud」のラインアップに、アカマイのネットワークサービスを活用した「高速ネットワークサービスソリューション」を追加し、12月14日より順次申し込みを受け付ける。

 アカマイでは世界80カ国以上、750都市以上に分散配置されたクラウドインフラを利用し、インターネット上で高速かつ安定的なビジネスアプリケーション環境を実現するネットワークインフラサービスを提供している。今回の提携により日立では、このインフラを活用したソリューションの提供が可能になるとのこと。

 具体的には、業務システムでプライベートクラウドを利用している企業向けの「プライベートクラウド構築ユーザー向けネットワークソリューション」や、PaaS/IaaSなどを活用して業務システムを運用している企業向けの「プラットフォームリソース提供サービス」で、ネットワークオプションサービスを提供。また、アプリケーションをSaaSとして提供したい事業者向けには、日立の企業間ビジネスメディアサービス「TWX-21」で提供している「SaaS事業者支援サービス」において、ネットワークオプションサービスを用意する。

 プライベートクラウドやPaaS/IaaSを活用している企業がこうしたネットワークソリューションを導入すると、ネットワークのアクセス時間の短縮、アクセス集中時でも応答速度が落ちないといったメリットが得られ、信頼性とセキュリティに優れたネットワーク環境を導入できるとのこと。またSaaS事業者では、SaaSで提供するサービスへアクセスが集中した場合でも、応答が遅くなってユーザーの満足度が下がることなどを抑えられる点がメリットとした。

 なお、こうしたソリューションの提供にあたっては、アカマイのネットワークサービスから、ユーザーごとの要件に対応できる適切なメニューを日立が組み合わせて提供する。また、日立自身でも2007年からアカマイのネットワークインフラサービスを利用しており、このノウハウを生かして、導入コンサルティングサービスや24時間365日対応のヘルプデスクサービスをラインアップした。

 ネットワークオプションサービスの価格はすべて個別見積もり。提供開始時期は、「プラットフォームリソース提供サービス」と「SaaS事業者支援サービス」向けは2013年1月31日、「プラットフォームリソース提供サービス」向けは2013年5月31日。

 日立では今後、グローバルで活用できるメニューを拡充するほか、海外へ進出する製造業・流通業を初めとして、公共分野、金融機関、SaaS事業者などに拡販したい意向だ。

(石井 一志)